小芝風花に聞く、過去作とフジ令和版『大奥』の違い 「これまでで一番切ない『大奥』に」
■「全ての根本に愛がある作品です」
――亀梨さんとは『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系)以来、2度目の共演ですね。 小芝:亀梨さんが10代将軍をどのように演じられるのかはすごく楽しみです。家治という人物は、誰にも言えない大きな秘密を抱えていて、葛藤がある役なんです。誰のことも信用できない家治の心に恋が芽生えて相手を信頼するまでの心情の変化を、どう演じてくれるのだろうと気になっています。 ――初共演となる宮舘涼太さんの印象はいかがですか? 小芝:宮舘さんが演じるのは、表と裏の顔がある役。野心も抱えているし、倫子に見せる顔とそうじゃないときの顔が全然違う役です。宮舘さん自身は紳士的だし、「だて様」と呼ばれているそうなので。その彼が裏で悪い顔をするときに、どんな芝居をするのかが楽しみです。 ――倫子は、嫉妬の渦巻く世界で頑張っていくという役どころですが、小芝さん自身は負けず嫌いなタイプですか? それともマイペースなタイプですか? 小芝:負けず嫌いではありますが、それは自分に対しての負けず嫌いですね。人を落としたいということはなく、自分の中で戦っている感じです。私はフィギュアスケートを習っていましたが、大会でジャンプが回転不足だったときに悔しい思いをしました。そんなときに、「次の大会までにはこれをちゃんと跳べるようにしよう」と思うタイプでしたね。誰かに勝つというより、自分の中で黙々とやっていくタイプです。 ――小芝さんが倫子のような立場になったらどう感じますか? 小芝:私自身は嫌なことをされたら「もう知らない」となってしまいますね。倫子の器の大きなところは、自分を虐げてくる人に対しても「この人たちも生きにくいのかもしれないな」と思えるところ。倫子は正室であり大奥のトップなので、しっかり周りを見ている人だと思いました。 ――連続ドラマや映画への出演が続く中で、小芝さんにとって仕事の原動力になっていることがあれば教えてください。 小芝:任せていただける役柄の責任が少しずつ大きくなっています。その中で『大奥』のような歴史ある作品で主演を務めさせていただけるというのも嬉しいですし、それを知った視聴者の方からのコメントを読んでいると、頑張ってきてよかったと思えます。今までコツコツと一歩ずつ積み重ねてきたものが、少しずつ繋がって形になっていることが、やりがいになっています。 ――忙しい日々を送る中でリフレッシュになっていることはありますか? 小芝:最近はゲームをやっています。あつ森(『あつまれ どうぶつの森』)にコロナ禍ぶりにはまって、島をクリエイトしています。撮影の合間のセッティングチェンジ中にゲームをして、お昼休憩のように長い時間は睡眠を取るか台本を覚えるというように切り替えています。隙間時間にやるゲームが今は癒しですね。 ――たしかに癒されるゲームですよね。 小芝:そうなんです。動物たちがかわいすぎて。住民厳選ができるということで、やり方をいっぱい調べました。そうやって、自分の好きなキャラクターを集めています。今、私の島にはジュンくんがいるんですよ。 ――最後に、令和版『大奥』の見どころをお願いします。 小芝:最初は女性の悪いところばかりが見えてしまうかもしれませんが、紐解いていくと、それぞれに事情があって様々な思いを秘めていることが明らかになります。徐々に感情移入できるし、そうするしかなかったのだと理解できる物語になっています。ドロドロしているだけでなく、きちんとそれまでのストーリーがあるところに愛を感じました。どの人も切ないし苦しいけれど、全ての根本に愛がある作品です。そこが今までの『大奥』とは違うのではないかと思います。
Nana Numoto