映画『ミュージック』に石橋英子、折坂悠太、清原惟がコメント。オルタナティブポスターも
アンゲラ・シャーネレク監督の映画『ミュージック』に寄せた著名人コメント、オルタナティブポスター、新場面写真が到着した。 場面写真と予告編を見る 『第73回ベルリン国際映画祭』銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞した同作は、悲しみを抱きながらも音楽と出会い、歌うことでその悲しみを乗り越えようとする男・ヨンを主人公にした作品。『オイディプス王』に着想を得つつ、舞台を現代ヨーロッパに置き換え、翻案したという。本日12月13日からBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で公開。 主演は歌手としても知られ同作の劇中でも歌声を響かせるアリョーシャ・シュナイダーと、『イサドラの子どもたち』のアガト・ボニゼール。ダグ・ティエリが楽曲提供した。 コメントを寄せたのは石橋英子、折坂悠太、清原惟。 【石橋英子のコメント】 この映画で表される音楽は「身体」であり「時間」であると思う。 身体や時間はあらゆることを受け入れていく。音楽はその沈黙の中で生まれているのだと思う。 沈黙の中から這い出て音楽家が鳴らし始める音楽は残念ながら既に音楽でなくなっている事が多いのでは、とこの映画を見て強く思った。 鳴らされる前の純粋な音楽がこの映画には詰まっている。 【折坂悠太のコメント】 どうして抱きしめたか。その横顔が、何を見つめていたか。 注ぐ光はこんなにも鮮明で、服の皺、血の滲み、岩場に生える枯れ草の微かなそよぎまで、画面に穴が空くほど見つめられるのに、見れば見るほど、分かることなど無いと分かる。 手からこぼれ落ちたものの感触を少しでも残しておきたくて、覚え書きの旋律が生まれる。私がそこにいなくても、そこで歌われるために。 悲しくて、少しだけ温かかった。 【清原惟のコメント】 音楽を美しく使う映画はたくさんあるけれど、『ミュージック』は映像が、音が、映画全体が音楽のようだった。 色彩や、人々の所作から風のゆらめきまで、ひとつひとつが緻密なコンポジションのようで、通りの車の音でさえも、洗練された音楽に聴こえてくる。