【競輪】前検前に事故に遭遇…遠藤勝弥が緊急救助 元消防士が見せた瞬時のファインプレー/弥彦
<弥彦競輪>◇F1◇前検日◇13日 「元消防士としては、当然のことをしたまでです」 初日S級予選10Rに出走する遠藤勝弥(34=静岡)は、競輪場に向かって車を走らせていた。到着まであとわずかの国道沿いで、ロードバイクに乗って転倒した男性を発見。道端の側溝に車輪をとられて道路にたたきつけられ、身動きができない状態だった。遠藤は急停車して「大丈夫ですか?」と男性を介護。すぐに119番に通報し、救急車を手配した。「50代くらいの男性でした。倒れていたので、慌てて車を止めました」。 前検日の集合時間も迫ってはいたが、救急車が到着するまで男性に寄り添った。「高校を卒業してから6年間、消防士として働いていたんですよ。倒れている人を発見して、さすがに素通りはできない」。その後、同じく車で競輪場に向かっていた埼玉の桑名僚也(26)も現場を通りかかった。「桑名君も車を止めて降りてきて、交通整理をやってくれたんですよ。むしろ彼の方こそ、車を止めることができない状況だったと思う」と称賛。レーサー2人の緊急救急活動で、男性は無事に救急車で搬送された。 今場所の遠藤は、妻の実家(新潟)を拠点とし参戦してきた。前日(12日)も弥彦バンクで乗り込み、しっかり調整。昨年7月にS級に上がったが、来期はA級に戻る。S級での1年間は白星がなく「S級は(今場所を含め)残り2開催なので、勝ちたいですよね」。勇敢な戦士にこそ、勝利の女神はほほ笑む。