アニキ水波綾を相手に4度目の防衛を達成した渡辺未詩

＜東京女子プロレス：幕張大会＞◇22日◇千葉・幕張メッセ 　メインイベントのプリンセス・オブ・プリンセス王座戦で王者・渡辺未詩（24）が、挑戦者で今年の東京プリンセスカップ覇者でもある水波綾（36）を下して4度目の防衛を果たした。22年7月に水波が東京女子初参戦を果たした際の相手が渡辺。その時は水波が勝利したが、2年の時を経て、王者にまで成長した渡辺が見事“アニキ”から白星をつかみとった。 　渡辺は立ち上がりから水波の攻撃にさらされた。ショルダータックルで吹っ飛ばされ、コーナーでは強烈な逆水平をこれでもかと浴びせられた。ギロチンドロップ、肩固め、ラリアット…と次々に見舞われ、フラフラになった。しかし目は死んでなかった。水波を抱え上げてボディスラムでたたきつけると、場外に続いてリング上でも80キロの水波をジャイアントスイングでグルグル回した。 　終盤には水波の必殺技ホットリミット（変形のツームストンパイルドライバー）を、抱え上げられた状態からなんとか回避。リバースパラドックス（ゴリラクラッチの体勢から相手にのしかかり逆エビに固める技）で水波を痛めつけ、最後は21分19秒、ティアドロップ（ベアハッグの形から相手を肩に担ぎ、後方に倒れ込みつつ顔面から落とすその場式の変形フラップジャック）3連発で水波から3カウントを奪った。 　渡辺は「無事、4回目の防衛に成功しました！　水波さんが相手というのは今までのピンチとは全然違ったピンチだったんですけど、こうやって防衛できたことはものすごく自分の中で自信につながっているし、これから先、今なら何でもできるような気がしてるくらい、今までの4回重ねている防衛が自信につながっています。このまま完璧で究極なチャンピオンになって、もっともっと東京女子を大きくしたいと思います」とはち切れんばかりの笑顔で話した。 　この日の渡辺は、米AEWなどさまざまなリングで戦ってきた水波をして「2年という時間が彼女を強くさせたって言ったら、すごい簡単な言葉なんだけど。2年経っても私に勝てない、5年経っても10年経っても勝てない選手は山ほどいる」「いつもだったらギロチン（ドロップ）が決まって、その後ホットリミットで終わりだったところを、とにかく何でもいいから、技じゃなくてもいいから、しがみついてでもいいから行かせないっていう。その気持ちって、分かっててもなかなか試合中に出せる選手っていないと思うんです」などと言わしめる勇敢な戦いぶりだった。 　渡辺は10・6後楽園大会では山下実優とのタッグで、来年4月の引退が決まっている里村明衣子＆中島翔子と戦う。アイドル兼プロレスラーグループ「アップアップガールズ（プロレス）」のメンバーでもある渡辺はそれについて聞かれると「正直、ちょっと対水波さんで頭がいっぱいで。今月ライブが結構あったんですよ。ちなみに明日ライブなんで、ぜひ来てください（笑い）。そのくらいライブがあって、お客さん全員が水波さんの顔に見えてたんですよ！　ホントに！　マジで！」とメディアを笑わせた。 　続けて「でも私が初めてオーディションで合格したタイミングで見た東京女子の試合が山下さん対里村さんのシングルマッチだったので。その時に見た第一印象、初心とか、プロレスってすげえってなった気持ちとか、ちょっといろいろ思い出して2週間（練習を）頑張りますね」と、レジェンドとの対戦に意欲を示した。