【カメリポ】夏の夜空に舞い上がる手作りの灯籠 過疎化が進む集落で復活して10年 「会いたい」大事な人と家族をつなぐ 福岡
FBS福岡放送
和紙で手作りした灯籠を夜空高く浮かべる祭りが、福岡県八女市で行われました。この明かり一つ一つに、亡くなった人への感謝の思いが込められていました。 【画像】【カメリポ】夏の夜空に舞い上がる手作りの灯篭 過疎化が進む集落で復活して10年 「会いたい」大事な人と家族をつなぐ 福岡
福岡県八女市黒木町の山あいにある大淵(おおぶち)地区は、田園風景が広がる人口850人ほどの小さな集落です。
8月11日、地域の体育館では灯籠づくりが進んでいました。 八女の和紙と地元産の竹ひごを一つ一つ貼り合わせ、高さおよそ1.7メートルの灯籠を手作りしていきます。 毎年8月14日に行われる「大淵献燈祭(けんとうさい)」は、過疎化が進む大淵地区で、いったん途絶えた夏祭りの伝統を復活させようと、2014年に始まりました。 ■大淵献燈祭実行委員会・田中栄一さん 「仲間が2か月近く団結して作り上げていくのがいいのかなと思います。(Q.献燈祭に込めた思いは?)この大淵を未来永劫、今の姿で、消滅集落とか言われていますが、そういうことがないよう、どうぞ見据えてくださいという思いです。」
祭り当日の8月14日、夜のとばりが下り始めた会場に、地区の人や久しぶりに帰省してきた家族などが集まってきました。 心を込めて手作りされた灯籠には、亡くなった人の名前が書かれています。 明かりがともされた灯籠は、天に届くように浮かび上がります。
■灯籠を上げた人たち 「バイバーイ!」 「もともとグライダーが趣味の親父だったので、もっと高いところに上がってもらいたいです。」 「喜んどるよ。」 「すごく感動しました。父と母が見てくれている感じで。」
灯籠に結びつけられた糸が、亡くなった先人と今を生きる家族をつなぎます。 ■会場アナウンス 「これからもみんなを見守ってくださいね。」
会場ではこんな家族の姿も見られました。 ■灯籠を上げた人たち 「みんな元気よ。安心しとってね。」 「糸電話?」 「会いたい。会いたいです。」 ■会場アナウンス 「点灯です。」