現場海域は「ベタなぎ」漁協組合長らが会見 茨城沖のイワシ漁船転覆
茨城県の沖合で巻き網漁船の第8大浜丸(80トン)が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明になっている事故で、同船が所属する大津漁業協同組合(同県北茨城市)の鈴木徳穂組合長らが6日夕、救助された乗員らが上陸した千葉県銚子市内で会見を開き、「一日も早い行方不明者の発見に全力を挙げたい」と話した。 【写真】現場でいったい何が 海上保安庁の巡視船や漁船が捜索にあたった 漁協が事故を把握したのは同日午前2時過ぎ。坂本善則・専務理事の部下のもとに「大浜丸が事故を起こした」と連絡が来た。船は転覆し、船底が上を向いた状態だったといい、近くにいた船が乗員の救助にあたった。午前には20近くの船団が海保とともに行方不明者の捜索にあたり、午後も第8大浜丸と船団を組んでいた2隻が捜索を続けた。その後海が荒れ始め、夜間は海保が捜索にあたるという。 ■乗員は「ベテラン多い」 鈴木組合長らによると事故当時、現場の海域は「ベタなぎ」だったという。20人の乗員のうち5人はインドネシア人の技能実習生だが、日本人乗員にはベテランも多かったといい、「(漁の指揮をとる)漁労長も優秀でミスは考えにくい」とも話した。 現場の海域周辺には、昨年12月以降にイワシが南下してきており、漁協の船団はこれを狙って漁に出ていた。漁獲量が多すぎて船が転覆した可能性について問われると「イワシはここ最近増えてきているが、ものすごく大量に入ったというわけではない」と説明。ただ、これも含め事故の原因については「海保の調査結果を待ちたい」と繰り返した。(芹沢みなほ、根岸敦生)
朝日新聞社