50代になったらダイエットや節約以上に「家」のダウンサイジングがお薦め ワンルームマンションに滞在して気づいた「人間は部屋の大きさに合わせてモノを増やす」という真実
狭い家で十分
50代になるとそろそろ「終活」も視野に入れなくてはいけないが、まずやるべきは、体が動くうちに現在の56平方メートルの家から引っ越し、ダウンサイジングすることである。我が家には子供もいないため、私が死んだ場合は妻がラクにゴミを整理できるよう準備し、妻が死んだ後にも、遺族がラクに整理できるように整備しておく必要がある。 一方、私の実家に目を向けると、ピアノやら大きなソファーやらが、いまだに鎮座している。共に79歳の両親におかれては、未練なくさっさと処分をしてもらいたい。「立つ鳥跡を濁さず」ではないが、死ぬ時には残された人にあまり負担をかけないようにした方がいい。そのためには狭い家に住むことが大事なのだと今回の渋谷のワンルーム生活で感じ入った次第である。 正直、17平方メートルでまったく不自由はなかった。現在の56平方メートルからの大幅なダウンサイジング、これから少しずつ準備をし、狭い家に引っ越そうと思うようになっている。 多くの人は豪邸に住みたい、という欲求を持っているのだろうが、所詮人間なんてどれだけ背が大きくても180cmほどだろう。大邸宅を持っていても結局莫大な維持費がかかるし、部屋が多ければ、ついついモノも増えてしまう。お金が余ってしょうがない大金持ちはさておき、一般庶民は狭い家に住んだ方がいい。 中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) 1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。 デイリー新潮編集部
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