「公園で野球は禁止」勉強嫌いの中学受験、やる気スイッチの意外な「邪魔者」
「どうやったらやる気になるのか」 受験期の子どもを持つ親の多くは、そんな悩みを抱えるのではないだろうか。ましてや高校や大学受験よりも幼い中学受験となると、「親がどのように伴走すればいいのか」に悩む声は多い。 「自力でハーバード合格」の子を育てたTO DOリスト作り「1タスク5分」の魔法 慶應義塾大学を卒業した元大手証券ディーラーの森将人さんも、まさに息子をやる気にさせるにはどうしたらいいかに悩んだ一人だ。 「勉強嫌いの息子の中学受験は、完全に親のエゴでした。でも最後に『中学受験をしてよかった』という息子の言葉を聞いてホッとしています」 と語る森さんがどうやって「よかった」と言える結末となったのか率直につづる連載「勉強嫌いの中学受験」第3回は「やる気にさせるには」を伝えている。 前編では、勉強を始めるとお尻がかゆくなったり、ひいては足の痛みを訴えて大きな病院でMRIを取る「事件」まで起きたことを伝えた。「念のため」と松葉杖を病院から借りたものの、すぐに使うのを飽きた息子が松葉杖を置きっぱなしにしてしまうというマンガのような展開になった。 後編では「やる気スイッチオン」に成功したが、意外な邪魔者が入ったことをお伝えする。
やる気スイッチをオンにするには
主体性のない子どものやる気スイッチをオンにするのに、手っ取り早いのがニンジン作戦だ。 孝多(仮名)のニンジンはゲームだ。勉強すれば、寝る前にタブレットゲームができる。テストでいい点が取れれば、ゲームソフトが買ってもらえる。そんなやり方で勉強させたこともあったが、効果がいつまでも続くと思えない。 思いついたのが朝練だった。6年生の2学期のことだ。孝多に運動でもするかと訊くと、久しぶりにボールを蹴りたいという。サッカーをやめて以来、身体を動かす機会がなくなっていた。適度な運動が気分転換になることがわかり、朝はぼくができる限りつき合うようになった。 夏休み明けに勉強量が増えたことで、孝多は疲れていた。平日の3日間は学校後すぐに塾に向かい、帰って来るのは9時半だ。塾のない日は勉強に3時間、タブレットに1時間程度のバランスが理想だが、ダラダラして予定通りにいかない。集中して勉強する癖をつけさせたかった。