「人は他愛もないことを知りたい」…5日で120万登録! 絶好調のmixi2 笠原健治氏に聞く「差別化戦略」
国内外のサービスが乱立する「SNS群雄割拠」の時代。そんな中、先月新たに登場したのが「mixi2」だ。 【映像】“温かみ”があって懐かしい? 「mixi2」の画面 国内最大級のSNSとして君臨したmixi誕生から20周年となる節目の年、株式会社MIXIは短文投稿型のSNSを開発。既存のサービスをバージョンアップするのではなく、新たなアプリとしてリリースした。 激しいユーザー争奪戦が繰り広げられる今、新たなSNSをリリースした意図や今後の展望について、mixi生みの親、笠原健治取締役ファウンダーに聞いた。
「誹謗中傷、炎上などが起きにくい仕組み」
「昨今、レコメンドのアルゴリズムが非常に効いたことで、バズった刺激のあるコンテンツが目立つ形で表示されるようになってきた。これは滞在時間などを最大化していく上では欠かせないものだが、一方で『つながった人と関係性を深めたい』『友達の近況や他愛もないことを知りたい』などのニーズはないがしろにされてきている。その点は寂しいものがあり『変えることができないか』と」(笠原氏、以下同) ニュースから日常の話題まで、多くの人々が興味を抱いた投稿がより目立つように設計されたSNSが主流となる中、mixiの原点である「人との何気ない交流」がいま求められていると感じたと笠原氏は話す。 狙いは見事に的中し、サービス開始から5日で登録者数は120万人を突破。想定以上の反響だったという。 「例えばM-1グランプリ、紅白歌合戦、年明けの瞬間では非常に多くの方がリアルタイムに書き込んでコミュニケーションをしながら、わいわい楽しんでいた。そこは“時系列の良さ”が出ていた」 mixi2では、フォローしているユーザーの投稿を時系列で表示。その投稿に、コメントやスタンプ、リポストなどのリアクションをすることができる。繋がりのあるユーザーの投稿が優先的に表示されるため、見ず知らずの人からの誹謗中傷、炎上などが起きにくい仕組みになっているという。 「(既存のSNSには)思わぬ勢いで拡散されて想定以上に多くの人に見られたり、もしくは切り取られてしまって自分が意図とは違う形で理解されて炎上してしまうなど、騒ぎが加速してしまう側面があった。mixi2ではそういったことはデフォルトのタイムラインがフォローの時系列であることも含めて起きづらい構造にしている」 現代のユーザーの利用スタイルを考慮し、「日記」や「足跡」といったかつてのmixiでお馴染みだった機能は廃止されたが、同じ趣味や関心ごとを持つ人が集まるコミュニティは継承されている。 mixi誕生から21年目の2025年、長年SNSの世界を見続けてきた笠原氏はどのようなSNS像を描いているのか? 「繋がった人、繋がりたい人との関係性を深めることができる部分や同じ趣味や興味関心を持つ人たちと交流できるコミュニティがmixi2の特徴だ。使い勝手のいいものにして多くの方にその価値を感じていただけるようなサービスにしていきたい」
「今のSNSは“アドレナリンを出す装置”」
現在、日本のSNS利用者数は1位がLINE(9700万人)、2位がYouTube(7120万人)、3位がX(6700万人)となっているがmixi2はどこまで伸びていくのか? 第一生命経済研究所主席研究員でAIやテクノロジーを専門に研究している柏村祐氏は「今のSNSは一言で言うと“アドレナリンを出す装置”のようになっており、興奮したり刺激を受けるものばかりが出てくる。そんなレコメンド機能を外したことは新しい取り組みだ。今はSNSが乱立しているため、差別化して“温かみ”のようなものが共有できるインフラになるといい」と述べた。 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部