「自分たちの都合で考えるな」…成果を出せず仕事中に車で昼寝をしていた「ダメ営業マン」に上司が授けた営業の「極意」
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第10回 『身近にある「可能性」を抑え込まない…ものごとが「劇的に」上手くいく「たった1つの」行動とは』より続く
困難を極める市場の新規開拓
スーパーやコンビニ、自販機で売られている瓶や缶、ペットボトルといったパッケージ充塡された商品とは異なり、フードサービス部門の製品は、それぞれの売り場でディスペンサーという機械によって商品になるので、お客様が手に取る直前までかたちになっていません。よくファストフード店やコーヒーショップのカウンターの反対側で店員さんが容器に飲料を注いでいるあの機械で商品にしているのです。お店によってグラスやカップのサイズも違い、ファミリーレストランのドリンクバーだとあらかじめ定めた量目で販売するという概念すらありません。私のこれまでの経験則がそのままでは通用しないということです。 フードサービス部門の主な市場はレストランやファストフード店ですが、そのほとんどはこれまで営業活動でしかるべきお店にはすでに機材が設置されています。つまり、この市場で新規開拓を進めるのはそう簡単ではないということです。
営業先がなくなり、不安が募る日々
そんな状況でも毎日新規開拓に行かなければ仕事になりません。最初のうちはなんとか見つかった訪問先も、一ヵ月もするとリストは余白だらけです。行くところがありません。 営業の仕事は外回りがほとんどですから、一旦会社を出てしまえばどこで何をしようが上司にはわかりません。仕事を怠るとそのまま成績にはね返ってきますが、わかっていながらも喫茶店に入って時間をつぶしたり、クルマの中で昼寝をしたりと現実逃避の日々を過ごすことになってしまいがちです。なにしろ訪問しようにも行く先がないのですから。 「このままだとどうなってしまうのだろう」 不安は日を追うごとに大きくなっていきます。月初めの定例会議のことを考えると頭が痛くなり、眠れない日が続きます。 「どうだ、調子は」 背中から声を掛けられ、振り向くと小林統轄部長です。