対イラン攻撃、イスラエルは独自で決定下す-ネタニヤフ首相
(ブルームバーグ): イランに対してどのような報復攻撃を選択するかはイスラエルの自由だと、ネタニヤフ首相は主張した。これより先、事態がエスカレートするリスクを抑えるため石油施設や核施設を攻撃対象から外すよう求めた米国の要請にイスラエル政府が従う意向を示唆したと報じられていた。
イスラエル首相府は15日、「米国の意見に耳を傾けるが、最終決定はイスラエルの国益に基づいて下す」と発表した。
イランが今月1日に行った弾道ミサイル攻撃への報復を巡り、イスラエルと米国は定期的に協議を重ねている。パレスチナ自治区ガザやレバノンでの停戦確保を目指しながらも成功していないバイデン米大統領とネタニヤフ氏との関係が、この協議で試されている。
米紙ワシントン・ポストは、ネタニヤフ氏が報復攻撃の対象を軍事目標に限定することに同意したと報道。同紙は事情に詳しい匿名の当局者2人の話として報じた。
米国の支援継続の表れとして、高高度防衛ミサイル(THAAD)の部品の一部と運用に必要な米兵100人のうちの先遣隊がイスラエルに到着したと、米国防総省は発表した。THAADは弾道ミサイル攻撃からの防御に役立つだろうが、その配備はイランに対しイスラエルが単独で行動する能力を妨げる恐れもあると、イスラエルの一部アナリストは指摘していた。
報復攻撃をイランの軍事標的に絞ると決定する場合、イスラエル国内の強硬派から強烈な反発が出る可能性もある。極右のベングビール国家治安相は軍のラジオ局に対し、「蛇の首を切り落とす好機がある」とイランについて発言。非公開で開かれた閣議の詳細な説明を同相は避けた。
原題:Israel Vows It Will Make Its Own Decision on How to Attack Iran(抜粋)
--取材協力:Dana Khraiche、Beril Akman、Alisa Odenheimer、Fares Alghoul.
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Dan Williams