34年ぶりに春の聖地へ 北陸が目指す打倒広陵、大阪桐蔭 センバツ出場校紹介
北陸(福井)が34年ぶり(2回目)に春の甲子園の土を踏む。昨秋は福井大会で3位だったが、最後は明治神宮大会4強まで上り詰めた。北信越大会決勝では3連覇を狙った敦賀気比を倒して34年ぶりに優勝。林孝臣監督は「気持ちの面で、当たって砕けろで戦える強みがあった」と振り返る。原動力は、大黒柱の右腕・友廣を中心としたバッテリーだ。
「県内最強」バッテリーがけん引
右腕の主戦・友廣陸(2年)と捕手の平田海智(2年)がチームを引っ張る。友廣は185センチの長身で、130キロ台後半の直球が持ち味。スライダーなど3種の変化球を織り交ぜる。 昨秋の公式戦は全11試合に登板し、62回余りを投げて57三振を奪った。友廣は「リラックスして伸びのある球を投げられた」。変化球を見せてからの直球でも三振を奪う力がある。福井大会準決勝は打ち込まれたが、「北信越大会が懸かる試合で緊張があった。しっかり切り替えた」。フォームも微修正して翌日の3位決定戦で2失点完投。修正能力も高い。
前チームから友廣とバッテリーを組んだ強肩・平田も巧みなリードで支える。強打者にも積極的にインコースを突き、的を絞らせない。明治神宮大会の準決勝の広陵戦では先発した1年生右腕・竹田海士を支え、注目の強打者・真鍋慧を内野安打1本に封じた。
明治神宮大会4強の自信を胸に
打線では、秋の公式戦の打率が4割を超える水野伸星(1年)が1番を打つ。中軸には秋の公式戦で2桁安打を放ち、長打力もある平田、友廣が座る。北信越大会決勝で勝ち越しの内野安打を放った6番の小矢宙歌(1年)らは状況に応じたバッティングが巧みだ。冬の間は打撃力とパワーの向上を目標に、筋力トレーニングなどに励む。 「中学時代から県内最強の二人だった」(林監督)という友廣と平田のバッテリーをはじめ、レギュラーの多くが地元・福井の出身だ。友廣は「神宮大会で負けた広陵と、そこに勝って優勝した大阪桐蔭を倒して日本一になりたい」と意気込む。明治神宮大会4強の自信を胸に、一気に頂点に駆け上がる。
OBに巨人の鍬原拓也ら
1880年に浄土真宗本願寺派(西本願寺)が羽水教校として創立した。仏教精神を教育の根本とする共学の私立校。普通科3コースと商業科1コースからなり、これまでに巣立った卒業生は約4万5000人。 野球部は1907年創部で、甲子園は春夏合わせて過去4回出場。春は89年に2回戦敗退、夏は92年に8強に進出した。OBに2017年のドラフトで巨人から1位指名を受けた鍬原拓也がいる。男子バスケットボール部、男子ハンドボール部も全国レベルの強豪だ。