阪神・岡田監督が大量得点に何度も「久しぶり」打撃部門でほとんど上回る中日がハッキリと“劣っている数字”とは
◇渋谷真コラム「龍の背に乗って」 ◇27日 阪神8―1中日(甲子園) 投手戦はあっけなく崩壊した。リーグ戦再開から6試合で総得点がたったの7。それでも勝ち越せて(3勝2敗1分け)いるのは、26日までの5試合は計5失点の投手陣の踏ん張りだ。 ◆中日・石川昂弥、中田に代わって昇格した【写真】 「久しぶりなんでね。前の中日戦くらいかな。(大量得点を)さかのぼるのは」 試合後の阪神・岡田監督は、何度も「久しぶり」という言葉を繰り返した。「前の中日戦」とは9点を奪った5月16日を指す。8得点は確かにそれ以来。そう。得点力不足に苦しんでいるのは中日だけではない。 数字だけを並べれば、むしろ中日より深刻だ。チーム打率はこの日で2厘上げてなお2割2分と、中日(2割3分2厘)よりはるかに低い。本塁打(28)、盗塁(22)も中日(30と24)より少なく、得意の四球力で出塁率こそ中日(2割8分2厘)を上回る(2割9分3厘)が、長打率で劣るため、得点に密接な関係があるといわれるOPSでは中日の・593に対して・590。25日に小笠原、松山、マルティネスの継投に零敗を喫した後「今までのゼロとはちょっと違うよな」と底を脱したと話した岡田監督だが、26日は延長12回を1得点。この日も6回までは梅津にねじ伏せられていた。 「1日遅れたけどな。でもこれで絶対打てるなんて保証はないよ。ピッチャーも代わるし」 7回に1点取ってなお無死一、二塁。中日が左の斎藤に継投しても、左の前川に犠打ではなく強攻させ、適時二塁打を打たせた。「前川にバントさせても仕方ない。左(投手)でも打てるところを見せてくれた」。7、8回だけで9安打、8得点を挙げたが、それら全てが「久しぶり」のことなのだ。 下を見て安心するわけではないのだが、ほとんどの部門で阪神よりは上の中日打線が、ハッキリと劣っている数字がある。総得点が阪神199、中日は166。ともに「あと一本」に泣いてきたはずの阪神に、なぜか大きく差をつけられている。言うまでもなく過程(安打や出塁)よりも大切なのは結果(得点)。中日にも早く「久しぶり」が訪れるように…。
中日スポーツ