水不足の解決にブロックチェーンを活用【Atlantis CEOインタビュー】
直面した問題
──どんな問題に直面したか? ひとつはオフランプ(参加プロセス)だ。特にインドでは、規制がまだグレーゾーンにあるため、オフランプが難しい。 オンボーディングの初めの段階で、最初のMVP(必要最低限の機能を備えたプロダクト)から、人々にウォレットに接続するよう求めると、うまくいかなかった。 人々は皆、「ウォレットって何?」という状態だったからだ。そして私はUIとUXについて究極の教育を受けた。ブロックチェーンやWeb3の用語をいつ導入するのが適切なのかを見極める必要があった。 そして、人々を教育するために特別なステップを踏まなければならなかった。人々は「これは暗号資産だ。ということは詐欺だ」という感じだったから。それに対して我々は、「いやいや、ちょっと待って!」「もっとたくさんの可能性がある!」という感じだった。 ──どのようなトークンを使って仕組みを動かしているのか? 内部トークンは準備してあり、いずれローンチするつもりだ。パイロット版ではそれを積極的に使用した。しかし、Web3市場がどのように機能しているかを見て、強力なプロダクト・マーケット・フィットを達成しない限り、トークンをローンチすることは我々にとって意味がないと強く信じている。 そこで我々は、様々なトークンをプラットフォームに導入できる仕組みを取り入れた。ソラナ(Solana)を使ってアフリカの水プロジェクトに資金を提供したい人がいればできるし、オプティミズム(Optimism)を使ってベトナムの水プロジェクトに取り組みたい人がいればできる。我々は、相互運用性の部分に力を入れた。気候変動は、人々がどのチェーンを使っているのかなど気にしない。
ブロックチェーンの活用例を人々に伝える
──まったくその通りだ。最後の質問になるが、Consensusで最も楽しみにしていることは? 我々のプロジェクトにとって、最大のライフラインのひとつはビットコイン。Consensusは、今、我々が使っているテクノロジーのパイオニアである人々に会える素晴らしい場所だ。 我々がブロックチェーンを使って行っていること、それは必ずしもDeFi(分散型金融)取引だけではないことについて、話すことができればと思っている。 我々は、「水問題や貧困と闘うために使うことができる」ということを知ってもらいたい。分散型台帳というアイデアは非常にパワフル。実際に使われている例があることをもっと多くの人に知ってもらう必要がある。 ──素晴らしい。これまでの成果に祝福を。オースティンで会いましょう。 イルトゥ・スレシュ(Irthu Suresh)氏は、5月29日から31日までテキサス州オースティンで開催される米CoinDesk主催のカンファレンス「Consensus」に登壇する。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:アトランティスのCEOイルトゥ・スレシュ氏|原文:Irthu Suresh: Using Blockchain Tech to Reduce Water Shortages
CoinDesk Japan 編集部