脳科学者が警鐘…スマートフォンで集中が途切れてしまったら、取り戻すには「23分間」かかる
「運」と聞くとどうしても何か超常的で私たち人間にはコントロールできないものと考えがちですが、オカルトやスピリチュアルではなく、自分次第で「運のいい人」になれると聞いたら驚くでしょうか。実は「運のいい人」は脳の使い方が他の人と違っています。大きく分類するとその使い方には「行動習慣」と「回復習慣」があり、その習慣自体は誰にでも実践可能なものなのです。 【写真】ゲッターズ飯田が感じた、「運がいい人」に共通している特徴 本書では、脳神経科学者の毛内拡氏の著書『脳科学が解き明かした 運のいい人がやっていること』から一部を抜粋し、運のいい人の習慣について解説していきます。
失われ続ける23分
研究によるとマルチタスクによって一度失われた集中力を取り戻すためには、平均で23分もの時間が必要だとされています。23分もあれば、アニメが一本見られる時間です。その時間が、ただ作業を切り替えるためだけに使われているなんて、ちょっと考えただけでゾッとしますね。 特に、近頃はスマートフォンの通知が絶え間なく届き、集中を維持するのが一層難しくなっています。 たとえば、作業中にスマホが震えたとしましょう。脳は新奇性を常に求めているため、それを見ずにはいられません。もしかしたら急を要する依頼かもしれませんし、何か新しい出会いが始まる予感かもしれません。それでたまらず見てみたら、「セール、今だけ5%オフ!」などという緊急性の低い通知だった場合はがっかりです。単にがっかりするだけならいいですが、貴重な23分が失われてしまっているのです。 したがって、現代人は日中ほぼ集中できていないのではないかと懸念しています。日中に本当に集中できている時間はどれくらいあるのか、自分がやりたいと思っていたことがどれくらい達成できたかと振り返ってみると絶望的な気持ちになります。 さらに恐ろしいことに、その結果、通知の少ない夜間にようやく自分のやりたかったことをしてしまい、ついつい夜更かししてしまう現象を「リベンジ夜更かし」というそうです。これがさらに睡眠不足を招き、翌日の集中力低下や疲労感を引き起こす……という悪循環に陥ります。