豊洲漁商産直市場、BtoB‐EC「Bカート」導入 独自の商習慣が多い水産業でDX挑戦、受注業務を効率化
BtoB ECプラットフォーム「Bカート」を提供するDAIは10月30日、「Bカート」ユーザーである豊洲漁商産直市場の導入事例を公開した。「デジタル化は困難」と言われる水産業でDXに挑戦し、受注業務の効率化と大幅な売り上げアップに成功した。 DAIの提供する「Bカート」は、受発注・請求・営業をDX化できるBtoB ECプラットフォーム。本格的なBtoB EC・受発注DXが月額9800円~、即日でスモールスタートできるサービスとして、導入実績2000社超、延べ75万社超の法人及び事業者間の取引に利用されている。 「Bカート」では、サービスを実際に利用している企業の導入事例を紹介する「お客様の声」を随時公開しており、このほど、豊洲漁商産直市場の導入事例を公開した。 豊洲漁商産直市場は、日本最大の市場である豊洲市場での買参権を取得し、中央市場ならではの品揃えを提供。独自ルートで開拓し続けている全国の漁師や漁協、 産地市場等と直結することで、産地や生産者の顔が明確に見えるとともに、活〆・神経〆・血抜き・活越し・今朝獲れ便等、 船上から始まる手当てと独自流通により、ワンランク上の高品質・高鮮度な鮮魚を届けている。 豊洲漁商産直市場がDXに取り組むきかっけとなったのは、親会社の資本業務提携によりオイシックス・ラ・大地の連結子会社になったことで、もともと使用していたオンプレミスの基幹システムに脆弱性があり、次世代へのバトンを渡すためにもDXが必要だと感じたという。 当時からECの必要性も感じており、オイシックスの連結子会社だったカラビナテクノロジーにシステム開発を依頼したとし、「最初の3カ月間は、カラビナテクノロジーと共同で徹底的に要件整理を行いましたね。その後、要件に基づいて半年ほどかけてシステムを作ってもらいました。もちろんその期間も微調整の繰り返しです。そして、一部のお客様にご協力いただき出来上がったシステムのテストを実施しました。その際にいただいたフィードバックを基に更に1か月間修正を重ね、ついに正式稼働となりました」と話す。 水産業には独特の商習慣やルールが多く存在し、「それらをシステムに反映するのは困難だったという。例えば、魚は1尾単位で注文を受けるが、出荷時には重さで請求するなど細かい処理が必要だ。また、実際に市場で仕入れを行うスタッフも使いやすいように、現場での反応を見ながらUIやデザインの改善を図った。 導入後は、情報の共有が圧倒的にスムーズになったと感じているとし、「仕入れを行う際に市場内でどこに誰がいるのか、どの商品がどうなっているのか等を、iPadを用いて常にリアルタイムで把握できるようになりました。そのおかげで情報の伝達漏れがなくなり、ヒューマンエラーが激減しました」と語っている。 以前は現場で紙に記録していた仕入れ情報の写真を事務所に送り、事務所のメンバーが手打ちで反映を行っていたが、今ではiPadから仕入れて情報を入力するだけで事務所に即座に共有が可能となった。 他にも様々な面で効率化を体感しているとし、もっともインパクトが大きかったこととして、自社ではじめて社員が育児休暇を取得できたことを挙げ、「以前の水産業界では考えられなかったことですし、今回のDXの大きな成果の1つだと思います」と語っている。
「日本ネット経済新聞」 編集部 速報チーム