「ほとんどは社会に出ることしか眼中にない」 無期懲役囚が明かす刑のリアル
(3)ーー無期懲役という刑罰はどんな意味、効果を持つ刑罰だと思うか? よほどの覚悟がないと仮釈放には至らぬ刑(ただし、大半の芯がない腰抜けの者にはどうってことのない)です。 という刑の反面、ほとんどの者は反省より社会に出ることのみしか眼中にない刑でもあり、効果につき疑問です。 現実は更生、改心より懲罰、社会の保安上、獄に入れておく刑となっていますし、それが妥当です。
(4)ーー無期懲役囚にとって仮釈放はどんな位置付けになっているのか? 仮釈放は、無期囚にとって最大かつ唯一の生きる理由、指標、光となっています。また、放縦にならない、なれない軛(くびき)にもなっています。
●「本当に反省した者を見たことがない」
(5)ーー今の無期懲役刑の処遇や仮釈放の判断、手続きにはどのような問題があると思うか? 「仮釈放(以下、(仮))の基準が当人の表面だけの反省の弁、所内での無事故のみを対象としているので、真の反省は顧慮されていません。 要領良く官に対して反省した振りができる者、一定の年月を無事故ですごした者が(仮)であり、この点の改善は「内心についてはわからない」ので、被害者遺族への慰謝、謝罪状況、被害者遺族との連絡を断られている者(本人は、これで手間がかからないと喜んでいるのが大半)ならば、社会に何らかの奉仕をしていること、などを審査の対象に含めるべきです。 ただし、それにかかわる職員のマンパワーが足りません。私は本当に反省して(仮)になった者を見たことがなく、それなら単に一定の年限(35~45年)を無事故にすごしたならば自動的に(仮)にするのと変わりません。 また、何か刑務所内で問題が起こる度にメディアは一方的に職員を非とする事も誤りで、刑務官不足を助長しています。