受け継がれる「蜂」の哲学 博多の男なら「寄り添い、熱と勢いある」 原点はアルゼンチン人【#アビスパ福岡アカデミー密着 ③】
J1アビスパ福岡U―18(18歳以下)のFWサニブラウン・ハナン(18)とFW前田一翔(18)が来季トップチームに昇格する。進化を促したのが、個性の育成に重きを置くアカデミー(育成組織)の方針。同時に、根幹にあるアカデミーのフィロソフィー(哲学)が、選手を迷わず導いている。「アグレッシブ」と「スピーディー」、そして「統率力」だ。(末継智章) ■「かわいいいいいいいいいいい」公式チアのポニテ姿【実際の投稿】 アビスパはスペイン語で熊ん蜂を意味する。クラブはこれまで何度も経営危機に陥るなどしてきたが、福岡をJ1へ導いた指揮官たちは共通して、蜂をイメージする攻撃性や集団性をテーマに掲げてきた。 2005年にJ2の2位でJ1復帰を決めた松田浩監督は「ディシプリン」(規律)という表現で統率の取れた守備を実現。10年に3位でJ1昇格を果たした篠田善之監督は「アグレッシブ」と「スピーディー」を掲げ、激しいプレスからのショートカウンターで前年J2で11位だったチームを立て直した。 15年に就任1年目でJ1昇格プレーオフを制した井原正巳監督も「全員が連動してハードワークする」。就任2年目の21年からチームをJ1に定着させ続け、昨年のYBCルヴァン・カップでクラブに初タイトルをもたらした長谷部茂利監督も例外ではない。堅守速攻を貫き、敵陣ゴール前に集団で襲いかかる攻撃を追求する。 アカデミーを統括する井上孝浩アカデミーダイレクターは「お祭りだって、山笠やどんたくのように、みんなで寄り添い、熱と勢いがある。地元の文化、県民性を考えると、僕らアカデミーもそういったサッカーをやるべきじゃないかということで、フィロソフィーを固めた」と説明する。 何度も経営難に陥り、経営陣が変わりながらも、絶えることがなかったフィロソフィー。井上氏は原点を「ピッコリの時」と考える。 【今も根強い人気、ピッコリ氏フィロソフィーの秘密】 井上氏が原点と語る「ピッコリの時」を深掘り。脈々と受け継がれるフィロソフィーの秘密とは―。 ▼下記関連リンク【オススメ 今も根強い人気、ピッコリ氏フィロソフィーの秘密】から▼
西日本新聞社