「ソロ活」気兼ねなく楽しむ人増えています…「おひとりさま」「ぼっち」より前向きな言葉として定着
周囲の目を気にせず思い思いに、単独でレジャーや食事を楽しむ「ソロ活」が福岡県内でも人気だ。コロナ禍以降の行動の変容も追い風となり、ソロ活向けのプランも続々登場している。(南佳子) 【写真】人気のウェディングドレスを手に「ソロ活はハッピーになれる時間」と話す田代さん
北九州市の紫川下流で5月、インストラクターの指導を受けながら水上スポーツ「SUP」に挑戦した同市の主婦、松村典子さん(51)は「マイペースに好きなことを追求できる」と笑った。
主催者によると、2016年のオープン以降の延べ利用者約1400人のうち約3割がソロ活。担当者は「団体利用の人気も根強いが、街中で体験できる手軽さが特にソロ客に受け入れられている。今後は、1人客限定のプランや、交流の場をつくることも検討したい」と話す。
ソロ活は、単独や1人を示す「ソロ」と活動の造語。05年の流行語「おひとりさま」や、独りを示す「ぼっち」よりも前向きで、既婚・未婚や性別を限定しない言葉として定着している。コロナ禍を経て、お金や時間を自分のために使う、家族や友人がいてもソロ活を楽しむという傾向が強まっている。
生活時間を1人で過ごす人、全世代で増加
消費者金融大手SMBCコンシューマーファイナンス(東京)が21年、全国の30、40歳代の男女1000人に「1人で行動・消費することにお金をかけているか」を尋ねたところ「お金をかけている」と答えた人の割合は80・4%で、前回(19年)から19・8ポイント上昇。月額も4201円増の9637円となった。また総務省の社会生活基本調査(21年)によると、前回(16年)よりも生活時間を1人で過ごす人は全世代で増えた。
久留米市の自営業の女性(62)は、小学校教諭を退職後、本格的にソロ活を始めた。5月中旬には、八女市星野村のレジャー施設・星の文化館に宿泊。自然の中、読書や天体観測でリフレッシュしたという。
星野村では1人向けのおすすめルートを紹介するなど、ソロ活を後押ししている。これを受け同館は17年度から、1人客も泊まれる、宇宙船をイメージしたカプセルタイプの客室「スターキャビン」(1泊朝食付き、大人6050円から)を稼働させた。