福袋、今や「中身が丸見え」 集客の宣材化
新春の商戦を待つ福袋が、もはや「袋」に収まっていない。本来は中身が分からない「わくわく感」と「お得感」が妙味だったはず。物価上昇で節約志向が高まり、消費行動がモノからコトに移ろう昨今、丸見えで高額の「福袋」が定着。在庫処分という形態から、集客の宣材になりつつある。 【福袋】広辞苑によると、「初売りで、いろいろ物を入れて封をし、各人に選ばせる袋」。百貨店が商品を割安で袋詰めしたのが起源とされる。 そごう横浜店が元日から販売する「夢の福袋」は規格外だ。価格は100万1円で、イタリア料理店「イリエスケープ」(横浜市中区)の貸切ディナー。来年8月開催予定の花火大会を店内から観覧でき、そごう来店客は抽選で1組のみ購入できる。 パリ五輪に出場したブレイキン日本代表の福島あゆみ選手によるダンスの特別レッスンや、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの来季チケットも横浜高島屋が販売する「福袋」。やはり来店が条件で、担当者は「年末年始は一番の書き入れ時。福袋に集客効果を期待している」と明かす。
神奈川新聞社