【袴田さん再審】静岡地裁が無罪判決も検察控訴なら…“法相指揮権で取り下げを”超党派国会議員連盟が要請
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
静岡地裁が無罪判決を言い渡した袴田巌さんの再審=り直しの裁判。2日、超党派の国会議員連盟が、検察が控訴した場合、法相の指揮権で取り下げるよう申し入れを行いました。 袴田巌さんは1966年の一家4人殺害事件で死刑が確定していましたが、静岡地裁は、9月26日、やり直しの裁判で「3つの証拠にねつ造があった」と認定し、無罪判決を言い渡しました。検察側は、判決に不服がある場合、東京高裁に控訴することができますが、控訴した場合、さらに審理が長期化することになります。こうした中、2日、超党派の国会議員による「議員連盟」が、姉のひで子さんらとともに法務省を訪れ、検察が控訴した場合、法相が指揮権を発動して控訴を取り下げるよう要請書を提出しました。しかし、対応したのは「官房長」で、議員連盟側は「法相が受け取るべき」と批判しました。 (鈴木 宗男 衆院議員) 「大臣もいるわけです。なぜ1、2分でも、お姉さんが来ているのにあいさつしないのかと、厳しく言 ったんですよ」 (逢沢 一郎 衆院議員) 「証拠がねつ造された。ねつ造されている。明確に裁判所がそのことを認定した。その重みを一番重く受け止めるべきは法務省です」 これに対し、要請書を受け取った「官房長」は…。 (法務省 佐藤 淳 官房長) 「法務大臣には、しっかりと、思いを私から伝えておきます。どうかよろしくお願いします」 その後、行われた集会には、国会議員や支援者ら約150人が参加し、2014年に静岡地裁で袴田さんの再審開始と釈放を決定した元裁判官の村山弁護士も姿を見せました。 (元裁判官 村山 浩昭 弁護士) 「裁判官が捜査機関のねつ造に言及するのは大変勇気のいることです。それでも言及したというのは、裁判体が覚悟を持って判示している。審理の経過をみてどうでしょうか。これ以上、証拠はあるのでしょうか」 (袴田巌さんの姉 ひで子さん・91歳) 「巌が、48年、拘置所の中にいる間、ずっと手紙で訴えていた通りのことで、巌の言う通りになりました」 袴田巌さんの無罪は確定するのか。検察側の控訴期限は10月10日です。