低年金に苦しむ女性。厚生年金加入者でも「平均額は約11万円」って本当?
年金は2か月に1度、基本的に毎月15日に支給されます。次回の年金支給日は4月15日(月)に迫りました。 【年金一覧表】男性と女性の「厚生年金額」を比較!この差を埋めるのに必要な月次積立額もシミュレーション! 実は、厚生年金の受給額は男女で平均およそ6万円の差があります。 当然ながら年金制度は男女平等ですが、厚生年金の納付額や納付期間の差が受給額の差となってあらわれているのが現状です。 本記事では年金支給のスケジュールや受給額の実態について解説。記事の後半では、厚生年金に差が生まれる原因について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
つぎは4月15日!年金支給のスケジュール
年金は2か月に1度、基本的に15日ごろの支給となります。 2024年度は次のスケジュールで決まっています。 ・4月15日 ・6月14日 ・8月15日 ・10月15日 ・12月13日 ・2月14日 つぎの年金支給日は4月15日となります。 この日は平日なので、特段の事情がなければ予定通り15日に振り込まれると想定されます。 一般的な会社員の月給と異なり、2か月に一度しか振り込まれない年金。そのため、家計管理には注意を払う必要があります。 受給後にハイペースで消費して現金不足に陥ることのないよう注意しましょう。
厚生年金の平均受給額の男女格差
厚生労働省が調査している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、毎年平均的な年金受給額を集計しています。 令和4年度版の65歳以上の平均受給額はつぎのとおりです。 ・男性:16万7388円 ・女性:10万9165円 なお、65歳以上に限定したものではありませんが、全体の平均は14万3973 円です。 女性の平均的な年金受給額は、男性と比べておよそ6万円も差があります。 2か月合わせても21万8000円程度の受給額となるため、より一層資金管理に注意が必要です。
厚生年金に差が生まれる原因
厚生年金の受給額に男女差がうまれる要因は、つぎのポイントにあります。 ・年金の支払期間の差 ・年金支払額の差 厚生年金の受給額の計算式は複雑ですが、基本的に次のような式で試算可能です。 <老齢基礎年金>(78万900円(基礎年金満額) × 1.018(年金額改定率) × 基礎期間月数 / 480 )+ (200 ×付加保険料納付済月数) <老齢厚生年金>(厚生年金期間の平均標準報酬(月)額× 厚生年金期間月数))× 0.005481(給付乗率)+経過的加算部分 変数が多くてわかりづらいですが、簡単にいえば「平均標準報酬」と「納付期間」に比例します。 すなわち、長く、高額な保険料を納めている方ほど受給額が高くなりやすいのです。 厚生年金の1月当たりの納付額は、月給や賞与を一定の範囲ごとに区分けした「報酬月額」できまります。 すなわち、納付額は報酬月額の上限である月65万円までは概ね月収に比例するのです。 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男性の月の平均賃金は416万5000円であるのに対して、女性は280万円と、およそ136万5000円の差があります。 賃金格差が将来の年金受給額の差となりうるのです。 また、近年は雇用継続の制度が整ってきていて状況は変わりつつありますが、過去は結婚や出産を機に退職したり、正社員以外の職に転職したりするケースも多くみられました。 その場合には厚生年金から外れて実質的な納付期間が短くなるため、やはり年金受給額が減少する要因となるのです。 年金の受給額を引き上げるためには、厚生年金の納付対象となる雇用形態で勤続年数を伸ばすのが有効です。 月収を高めれば受給額をさらにふやせる可能性があるため、積極的なキャリアアップも重要となります。