Aぇ! group佐野晶哉「未完成やからこそ応援したいと思ってもらえるグループでありたい」
Aぇ! groupの至宝、佐野晶哉。ドラムにギター、サックス、ピアノ。数々の楽器を操り、作曲もお手のもの。声楽を学んだ高校時代の思い出や曲作りのこだわりなど、音楽トークに花が咲くも、気づけばメンバーやファンへの思いが溢れて──。週刊朝日2023年4月14日号より 【写真】佐野晶哉が初めて単独表紙を飾った週刊朝日 * * * ──Aぇ! groupとはどんなグループ? 何事も、自分らが自分らのことをおもろがりながらやってるグループですね。学校にあのメンバーおったら、絶対、固まることないですもん(笑)。各々ちがうところで変なことやってる。でも毎日一緒にいてしんどくなったことは一回もないです。もちろん仲もいいけど、仲のよさともちがう、お互いをすごい尊敬しあっているからこそ出る雰囲気があります。 ──グループ結成時から連帯感はあった? いや、初めはどう打ち解けていいかもわからんし、(末澤)誠也くんなんてそれまでしゃべったことなかったし。僕もまだ高校生やったんで、正直、グループって何なんやろみたいな感じでした。 でも、2019年の「僕らAぇ! groupって言いますねん」っていうお披露目の舞台からは変わった気がしますね。1カ月みんなで東京に宿泊して、ホテルの部屋に料理持ち寄るぐらい仲よくなって。 誠也くんも「いじってええんやで」っていうオーラを出して近づいてきてくれた。千秋楽には号泣して、ああ、もうずっとこのメンバーでやっていくんやって思いました。 ──グループでは最年少ですが、年齢差は自然と気にならなくなった? 俺、5個上のお兄ちゃんがいて、いじられたりいじったりしてきたので、もともと年上の人としゃべるほうが得意なんです。それに、ちっちゃいころから劇団でミュージカルをやってたんで、なんなら小学生なのに30、40代の人とばかり一緒になったりとか。だから、今(の末っ子のポジション)は楽ですね。
■「1年休みます」とマネージャーに電話を ──今までで、一番しんどかった時期は? Aぇ!になる前ですかね。って言っても、僕、(事務所に)入ってすぐにマイク持ったり、本当にめちゃめちゃ恵まれてたほうなんです。 同世代で一緒に前出るメンバーがおらんかったから、なにわの4人[※現在のなにわ男子メンバーである、大西流星、道枝駿佑、高橋恭平、長尾謙杜のこと]と一緒に曲歌わせてもらったり、(現在のAぇ! groupメンバーの)正門(良規)くんと小島(健)くんと一緒にトリオでバンドしたり。 でもなにわの4人との壁はすごかったし、Aぇ!の二人とも同じところにはいられてなかったから、ほんまどっちつかずな感じで、きつさはありました。 そのなかでコントとかで頑張って前出て、みたいなころ、なにわ男子ができたんですけど、しんどさはまったくなくて、関西にグループできたって素直にうれしかって。そのあと同期が3人入ったLil かんさいってグループができたときも、おー、同期もグループ組んだよ、すげーって。 で、そのあともう一グループできるぞみたいな噂が流れてきて、そこに正門、小島が入ってバンドできんくなったら俺居場所なくない?ってなりました。もう高2やし、受験して大学でちゃんと音楽勉強するかって思って、マネージャーさんに「1年休みます」って電話しましたね。 ──落ち込んだり、腐ったりはしなかった? だってまだ(入所して)3年目4年目とかの、腐れへんペーペーやったんで。アイドルはめちゃ楽しかったですけど、執着ができたのはAぇ!に入ってからなんで、吹っ切れた感じでしたね。 そのときの自分としては悔しさはあったけど、今思い返すと、十何年ずっと頑張ってきてっていう人たちとか、Aぇ!のほかのメンバーと比べたら、全然大したことない悩みやったと思います。 ──その後、小島さんの力添えもあって無事にAぇ! groupメンバー入りを果たしたそうですが、音楽面での、自分たちの強みは? 熱量というか、身を削ってやってる感じというか。メンバーそれぞれの声の個性と、それがそろったときの圧力も強みやと思います。「Aぇ!と言ったらこのジャンル」みたいなのはまだ見つけられてないです。キラキラはもちろん……もちろんって言ってええやろ(笑)、ちがうし、どっちかっていうとギラギラやと思うんですけど。