なぜ中学生が「ニコニコ超会議2」に魅了されるのか?
27日、28日に幕張メッセで行われている「ニコニコ超会議2」。第一回の昨年より、協賛・出店企業数は33店から78店に拡大。有名企業の他、今年から、自民党、民主党、維新の会などの政党も参加する。会場全体の出演者数は400名を超え、安倍晋三首相やホリエモンなどもゲスト出演した。そんな会場内を見渡すと10代の若い層が多いことに驚く。デジタルネイティブの彼らになぜ「ニコニコ超会議2」が人気なのだろうか? ゲーム機3DSのフレンドリストで知り合い、1年ほどチャットをしている友人と本イベントではじめて会ったという女子中学生がいた。共通の話題は、初音ミクなどで知られるボーカロイドやアニメ。「学校のクラスでもボカロを見ている子は多いです。今日は、大好きなボカロP(ボーカロイド楽曲作成者)のんさんのサインをもらえてうれしいです」と笑顔で話した。 27日は、午前6時前から並んでいたという中学生グループもおり、彼らもよくボーカロイド動画をみるという。「好きなボカロPに会ったし、ここでしか買えないグッズが買うこともできました」と普段の楽しみ方とは違うリアルの世界を堪能している様子。 男子中学生には「ゲーム実況」が人気があり、特にホラーゲームの中継をよく見ているようだ。「一人でプレイしていると怖いけど、実況で見ているのは楽しい」と語る。生放送サービスを提供するニコニコ動画ならではの回答もあった。ゲーム中継ブースを訪れた彼らは、「いつも見られない画面の外を見られることが面白い。また来年も来たい」と満足そうに話した。 彼らは物心がついた頃からインターネットに慣れ親しみ、SNSで積極的に情報発信をして、抵抗なくコミュニティを作り出している世代だ。ネットの中だけでなく、さらなる広がりを求めて、リアルなイベントの場も軽やかに楽しんでいる。 キーワードは「参加」だ。ニコニコ超会議で開催される「歌ってみた」「踊ってみた」といった人気イベントの数々は、ユーザーが参加しなければ成り立たない。主催者側は、会場全体を大人の思惑で作り込み、与えるのではなく、ユーザーに参加する動機を提供している。若年層の欲求を正確に捉えているのだ。 そうした場に対して参加意欲をかき立てられているのは、いまや若年層ユーザーだけではない。今回のニコニコ超会議には、いままで彼らとの接点が薄かった、政治家や有名企業がこぞって参加した。ニコニコ動画を媒介として、若年層の熱が彼らを引き込んだ格好だ。 ニコニコ超会議の魅力は、あらゆる人にむけた「参加するための動機づくり」にある。自分たちで作り楽しむことができる若年層にとっては、これ以上ない遊び場だ。