「大谷デー」はこっちが本家 大谷翔平の故郷・奥州市では「議員」も「市職員」も “17番ユニフォーム”姿で勤務中
広々とした岩手の空の下、地域住民が協力して水田に巨大なアート作品を描き出す「アテルイの里の田んぼアート」。今年の画題は、「大谷翔平とデコピン」だ。 【写真をみる】市議会が“大谷だらけ”!? お堅そうな議員も残らず「17番ユニフォーム」を着用 大谷翔平(29)の地元、奥州市には、あちこちで応援の機運が感じられる。それもそのはず、先だってアメリカ・ロサンゼルス市が5月17日を「Shohei Ohtani Day(大谷デー)」に制定したが、奥州市はそれに先立つこと6年も前から「大谷デー」を設けていたのだ。
毎月17日は「大谷デー」
6月17日の岩手・奥州市議会の本会議。議員たちがジャケットを脱ぐと下から現れたのは背番号17のユニフォームだ。後方の傍聴席から見ていると、まるで大谷だらけの市議会だ。議員たちがそろって大谷のユニフォームを着ていたのには理由がある。 「わたしたち市役所職員の有志が中心となって『大谷翔平選手ふるさと応援団』を立ち上げたのは、2018年の8月のこと。設立当初から、毎月17日を『大谷デー』とし、ユニフォームやTシャツを着て応援してきました」と語るのは、奥州市生涯学習スポーツ課スポーツ振興係の鳥海友紀さんだ。 応援団では、市議会をはじめ、市役所、商工会議所など10の会員団体を組織。さらに地元の企業、学校など約240ものサポーター団体も加わって、郷土のヒーローを町ぐるみで応援してきた。市民もユニフォーム姿の職員らに「大谷、がんばったね」と気軽に声をかけてくる。コミュニケーションにも役立っているのだ。
ドジャース移籍に“動揺”も…
そんな応援団に動揺が走ったのが、昨年末のドジャース移籍報道だ。チームを移ることで背番号が変われば、市民に浸透した17日の「大谷デー」も変わってしまうかもしれない。「職員一同、ドキドキしていました」と鳥海さん。 ご存知の通り、これは杞憂に終わって背番号は17のまま。無事「大谷デー」は継続となった。もしカレンダーの日付を超えるような大きな背番号になっていたら、「二刀流の“に”と“とう”から20日にしようと思っていました」と苦肉の策を用意していたという。 実際に6月17日の奥州市内を歩くと、市職員や信用金庫の職員、地元タクシーの運転手もそろって応援Tシャツを着て勤務している。相当な熱の入れようだ。 この日、大谷はロイヤルズ戦で2打席連続ホームランを放った。まるで、17日の「大谷デー」に合わせたかのような見事な「祝砲」に奥州市民も歓喜したはずである。
撮影・本田武士 「週刊新潮」2024年6月27日号 掲載
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