19日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場（気配値）は、決め手となる材料を欠く中、1ドル＝154円台半ばで小動きとなっている。午前9時現在、154円59～60銭と前日（午後5時、154円55～55銭）比04銭の小幅ドル高・円安。 　前日の海外市場では、欧州時間は東京時間に売られた反動で買い戻され、米国時間の序盤に155円30銭台に浮上。その後は戻り売りが出て、中盤に154円50銭台に下落。いったん買い戻されたが、終盤は154円50～60銭前後に伸び悩んだ。東京早朝は154円60銭台で推移した後はやや売られている。 　前日には、注目された植田日銀総裁の講演・会見が名古屋で行われた。事前には「タカ派的な発言が出るのではないか」（為替ブローカー）と警戒されたが、講演・会見ともに「従来と変わらずのスタンスだった」（FX業者）とされ、結果的にドル円の方向感は変わらなかった。前日の海外時間は、米長期金利とドル円は「おおむね上にいってこい」（同）で、方向感を欠いた。 　東京時間は「植田総裁の講演・会見をこなした後を受け、いったんは材料出尽くし感が強い」（大手邦銀）とされ、目先は「決め手を欠いて、上下に動きにくい」（同）という。市場では「しばらくは目立つ指標の発表もなく、現行水準を中心に方向感の出にくい状況が続くのではないか」（同）との声が聞かれる。 　ユーロは対円、対ドルで上昇。午前9時現在、1ユーロ＝163円78～80銭（前日午後5時、163円00～01銭）、対ドルでは1．0593～0594ドル（同1．0547～0548ドル）。