どこで熊が出たのか…「アプリ」で確認 住民が襲われた市で運用 地図のピンマークで表示 長野県飯山市
いつでも確認できるアプリ「けものおと」
長野県内で熊による人身被害が相次ぎ、県の「ツキノワグマ出没注意報」も出される中、飯山市は市内の熊の出没場所や状況を地図や写真でいつでも確認できるアプリ「けものおと」を運用して被害予防を図っている。 【画像】アプリの「もくげきマップ」の全体像
これまでメールや防災行政無線などで注意喚起してきたが…
これまでメールや防災行政無線などで注意喚起してきたが、「アプリなら視覚的に位置や状況を把握しやすい」(農林課)として積極的な活用を呼びかけている。
「畑内に足跡」「桑の実食べてる」といった状況も
アプリの「もくげきマップ」は市全域を網羅し、熊の出没場所をピンマークなどで表示。それぞれ出没頭数や地区、「畑内に足跡」「桑の実食べてる」といった状況を知ることができ、残された足跡やふんなどの写真が添付された地点もある。「もくげきリスト」に画面を切り替えると、出没情報を1件ずつ直近の事例から過去にさかのぼって確認することができる。
市はアプリを県外の業者から導入して3月から運用。熊出没に関する市民の通報などを基に市職員が現地を確認し、写真を撮るなどして発信している。アプリではほかに、シカやイノシシなどの出没状況も確認できる。
今年4月以降で23件 目撃や足跡の情報
市内の山林では昨年10月、男性がイノシシ捕獲用のくくりわなにかかった熊に襲われて死亡。ことし4月から6月9日までに目撃や足跡などの情報が23件あった。市は防災行政無線で頻繁に注意喚起し、地域と連携して山林と集落との間の緩衝地帯づくりなどにも取り組んでいる。春日直樹農林課長は「これをやれば絶対大丈夫という対策はない。できることを最大限やっていきたい」と話している。
アプリはパソコンやスマートフォンから無料で利用できる。詳しくは市ホームページへ。
【飯山市で熊に襲われ住民死亡】
2023年10月14日午前6時10分ごろ、飯山市旭の山林内で男性が倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認された。頭部には爪で引っかかれたような傷痕があり、近くに設置されていたくくりわなには成獣の雌熊1頭がかかっていた。