「自分の体じゃないみたい」子宮けいがん手前で手術…不安抱え過ごした5年間
■徐々に進行して4年後に手術へ…「頭が真っ白になって血の気が引いた」
有為さん 「最初に自治体の検査で引っかかってから3年後の2021年なんですけど、検査を受けたら今までの中で一番悪化していて『HSIL(ハイシル)』と書かれた通知が来ました。HSILというのは、中等度異形成から高度異形成の間のことだそうなんですね」 「様子を見る期間を短くして3か月後、今度は細胞の状態を見るための子宮けい部の組織診というのをしました。これは今までの細胞をこすりとる検査とはちょっと違っていて、怪しい細胞がありそうなところを数か所削りとるそうなんです。なので所要時間も、前の検査だと5分くらいだったのが、この組織診になると15分くらいかかるということでした。器具をいろいろ入れるので痛みや不快感もあって、15分がけっこう長いような感覚でした」 庭野解説委員 「心身に負担があるし、これでがんと言われたらどうしようと思いますよね」 有為さん 「組織診の結果は中等度の異形成でした。少し安心したんですけども、翌年の2022年にまた『HSIL』の結果が出てしまって、3か月後に組織診をもう一度受けたんです。そうしたら、とうとう『高度異形成』と出てしまって、『手術が必要だ』と言われました。2022年の11月で、33歳でした」 庭野解説委員 「高度異形成を放っておくと、約2割の人はがんになってしまうそうです。なので、取る手術を検討してくださいと言われるわけですね」 有為さん 「手術が必要と言われた時に、頭が真っ白になって血の気が引いた感覚がありました。それに、病院の予約がけっこう埋まっていて、手術は『半年後くらいになるかもしれない』という話が出て。医師の話だと、『その半年の間に進行することはないと思うから大丈夫だよ』というふうに言われましたけど、やっぱりモヤモヤしていて不安でした。最終的には空きが出たので、2月に手術を受けることになって、もう本当にひと安心しましたね」
■切除自体は“15分”でも2泊3日の入院生活
有為さん 「手術の選択肢として、子宮けい部を円すい状に切る手術と、レーザーで病変部分を焼く手術を提示されました。私は円すい状に切る手術を選ぶことにしました。レーザーだと、浸潤していた場合は取り除けないと聞いたので。日帰りできるところもあるらしいんですが、私の通いやすい病院を選んだところ、2泊3日で入院することになりました」 「麻酔は全身麻酔か、下半身だけにかける『脊髄くも膜下麻酔』が選択できるという話でした。私は、自分の体の負担を考えて、脊髄くも膜下麻酔にしました。上半身とか頭には意識があって、少し私の中では安心感がありました」