マイクロプラスチック問題解決へ期待…焼酎かすから生分解性プラ、曽於高校科学部が開発 エコワンGPで内閣総理大臣賞
高校生が学校ごとに取り組む環境活動を対象にした「第13回イオンエコワングランプリ」の研究・専門部門で、鹿児島県曽於市の曽於高校科学部の「焼酎かすと乳酸を原料とした新しい水溶性・生分解性プラスチックの開発」が、全国1位の内閣総理大臣賞を受賞した。 【写真】〈関連〉曽於市の位置を地図で確認する
科学部によると、水に溶け、水中の微生物が食べられる天然素材のプラスチックという。製品化されれば焼酎かすの処分と、生物や人間への影響が懸念されるマイクロプラスチック(直径5ミリ以下)問題を同時に解決できる可能性があると期待している。 研究は、地元の岩川醸造から焼酎かすの処分方法などを相談されたことがきっかけ。乳酸を焼酎かすに混ぜて230度に加熱すると固まった。出来上がったプラスチックが保管中、空気中の水蒸気を吸い込み、その水分と一緒に栄養分が溶け出していることも発見。その水をミジンコに与えると、大量に増殖したという。 科学部員は3人。2年の馬塲夏望(なつみ)さんは「失敗も経験したが、チームワークで克服できた」と喜ぶ。顧問の中島亮(まこと)教諭(43)は「世界初のプラスチックと自負している。持続可能な開発目標(SDGs)の観点からも有意義。幅広く利用できる可能性があり、学会や企業にPRしたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島