世界の国債、今年最長の続伸-高まる利下げ期待が後押し
(ブルームバーグ): 世界の国債が昨年12月以降で最長となる5日続伸した。市場のコンセンサスが今年のより多くの利下げに振れていることが債券の買いを促している。
ブルームバーグがまとめるソブリン債の指標は、5日まで5営業日連続で上昇した。このまま6日続伸すれば、昨年11月以来の連続高となる。米国やオーストラリアで金融緩和への期待が強まっている。
ここ1週間、トレーダーは利下げ観測を強めた。予想より弱い米経済指標とカナダ中銀の利下げ決定が後押しした。債券への熱意は7日、再び試される。同日に発表される米国の非農業部門雇用者数が、米国の成長が十分に減速しているかどうかの新たな手がかりとなる。
ドイツ銀行のプライベートバンキング部門でアジア太平洋地域の最高投資責任者(CIO)を務めるステファニー・ホルツェジェン氏は、市場は今、債券需要の「変曲点にある」とし「米国のデータが成長見通しの軟化を示せば、確信はさらに深まるだろう」と語った。
利下げが予想されている6日の欧州中央銀行(ECB)の政策決定もトレーダーにとって重要な焦点となる。
それでも、米国の厳しい財政見通しが米国債市場への重しとなる中で、国債に対する強気は抑えられるかもしれない。
ラボバンクのグローバルストラテジスト、マイケル・エブリー氏はリポートで「最近の米労働市場のデータが急に不安定になったことで、市場参加者の多くは、『利下げ』のシナリオが再び優勢になりインフレとの闘いは終わったと考えている。国・地域によってはそれは真実となり得るし、前進もするだろう」との見通しを示した。
米政策金利に連動するスワップは、年末までに0.25ポイントの利下げが2回実施される可能性90%を織り込んでいる。5月末には47%だった。オーストラリア準備銀行については、年内利下げ確率が51%と先月末の9%から高まっている。
ハト派的なセンチメントは利上げが予想される日本にも及び、日本銀行の年内利上げ幅予想は5月31日時点の29ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から23bpに縮小した。