（写真：南日本新聞社）

　鹿児島県屋久島町口永良部島の簡易水道施設工事の補助金不正受給を巡る訴訟で、町と荒木耕治町長は１２日、福岡高裁宮崎支部が町長にのみ損害賠償を請求することを認めた控訴審判決を不服として、１１月２０日付で上告したことを明らかにした。 【写真】屋久島町の場所を地図で確認する

　控訴審判決は、町長と当時の副町長、担当課長に計１３５万円の支払いを請求するよう町に命じた一審鹿児島地裁判決の一部を取り消し、町長だけに全額を請求することを認めた。 　判決について、町と荒木町長は、国庫補助金の収納にあたる職員として町長が含まれる根拠と理由が示されていないなどと主張。収納行為について定める地方自治法や、補助金適正化法の条文解釈にも誤りがあると訴えている。 　補助金の不正受給を巡っては、町が２０２１年３月、工事の一部が未完成だったにもかかわらず、虚偽の内容を含む報告書を県に提出。国庫補助金のうち、約１５００万円と加算金の返納を命じられ、国に計１６６７万円を納付した。