「年金支給額」が2.7%アップすることになるけど、生活は楽になる?物価はどのくらい上がっているのか
2024年4月分(6月支払い分)から年金の支給額が2.7%アップすることは、年金を受給されている方ならご存じかもしれません。しかし、近年物価も上がっており、年金が増えても生活は苦しくなるのではと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、年金は実際どのくらいアップするのか、物価はどのくらい上がっているのかをご紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金は実際どのくらいアップするの?
2024年4月分から、年金は原則2.7%支給額がアップします。年金は物価や賃金の変動などによって毎年改定されます。年金は年齢や働いていたときの収入などによって異なりますが、1956年4月2日生まれの人の年金額の例は、表1の通りです。 表1
日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」を基に筆者作成 上記の厚生年金については、平均的な収入の月額43.9万円で40年間就業した場合に、受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の合計金額となります。 実際にいくらの年金が受け取れるかは人によって異なりますので、「ねんきんネット」などでご確認ください。
2023年の消費者物価指数は前年よりも上昇している
近年物価が上がったと感じている人は多いかもしれませんが、実際どのくらい上昇しているのでしょうか。 消費者物価指数は、ある時点の消費者物価の水準を100として、物価の変動を表したものです。総務省の発表によると、2020年を100とした場合に、2023年の消費者物価指数は105.6となっており、2022年の102.3より3.2%上がっているという結果になりました。 年金支給額は前年よりも2.7%アップしましたが物価も上昇しているため、年金の増加分だけ生活が楽になるというわけではありません。物価が上昇すると、同じ金額で買える物の量が少なくなってしまうため、お金の価値が目減りすることになります。 特に、食料品の消費者物価指数が前年より8.1上昇していることから、食費が多くかかることが考えられるでしょう。 年金が上がったからといって、これまでと同じ水準の生活を続けると、物価の上昇により生活が苦しくなってしまう可能性があるということです。特に年金による収入に頼っているという方の場合は、生活費を節約することを考えた方がいいかもしれません。