原氏、立浪氏は、なぜ野球殿堂入りができなかったのか?
立浪氏も、PL学園からドラフト1位で指名された1年目から星野監督に抜擢されて衝撃的なデビューを果たし、3拍子揃ったショートストップとして“ミスタードラゴンズ”と呼ばれる活躍を見せた。 通算2480本安打は歴代8位の記録で、まだ資格のない金本知憲・阪神監督を除き、上位の6人は全員が殿堂入りを果たしており、中日の生え抜きOBとしては、同じく殿堂入りをしている高木守道氏よりもヒットを打っているにもかかわらず今回は落選となった。プレーヤー表彰に関しての投票権のない広岡氏は、立浪氏に関するコメントを残さなかったが、投票権を持つ筆者は、彼には入れなかった。 理由は、一昨年、球界を騒がせたグラウンド外の問題で、彼の名前も取り沙汰されるなどした件で殿堂入りの資格という点で少し躊躇したからだ。真偽のほどは定かでなく、あくまでも疑惑の段階で、週刊誌などに報道され、彼にとってはいい迷惑だったのかもしれないが、今回、伊東氏よりも票が伸びなかった理由には、私がそうだったようにコンプライアンスの問題が多分に含まれていたのではないか、と推測する。 覚醒剤の問題で逮捕された清原和博は、今回、殿堂入りの候補者リストから外された。立浪氏に投票しなかった人間が、こういうことを書くのは矛盾しているかもしれないが、立浪氏は候補者リストに入っている以上、そういう予断を投票の判断に含めてはならなかったのかもしれない。 いずれにしろ殿堂入りの投票に関してのガイドラインは、以前として曖昧なまま。この部分をハッキリとさせない限り、今後も、この人がなぜ? の意外な落選が続く可能性を否定できない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)