世界初コールドブリューの全自動コーヒーマシンも登場 創業40年のブルーマチックジャパン社「チェンジ」 テーマに新サービス、新型マシンを続々展開
コーヒーマシンの輸入販売会社・ブルーマチックジャパン社は創業40年の節目を迎える今期(7月期)、“チェンジ”をテーマに掲げ新マシンや新サービスを続々と提案している。 河口雅明社長は「コロナ禍を経た今、いろいろなことをゼロベースで考えていく必要がある。今までのやり方に固執せず、常に新しいサービスや新しい製品をお客様に提供していく。発想を変え、視点を変え、コーヒーマシンビジネスそのものをチェンジしていきたい」と語る。
“チェンジ”のための組織、業務のソリューション体系の刷新も進めている。 2024年1月、ブランディングの強化と企業価値向上に向けてマーケティング部を新設。 営業面では基幹システムを入れ替える計画で、効率化と提案力強化を追求する。 さらに、柔軟な視野、発想の転換を進めるための人材戦略として、30代従業員を積極的に執行役員へ登用。河口社長も「計画の目的である組織の活性化が加速し、よい結果が出ている、アイデアが次々と出され、お客様への提案力も高まった」と成果に自信を深めている。 今期は、これまで進めてきた “コーヒービジネスの成功づくり”の大戦略を、新製品開発・品質向上・メンテナンスサービス強化・人材育成の4つを軸足として、さらに加速しようとしている。 戦略の中核である新製品開発で、好調を牽引するのが、スイスのプレミアムコーヒーマシンブランド「JURA(ユーラ)」から昨年発売された高級家庭用全自動コーヒーマシン「Z10」。 世界初となるコールドブリュー機能を搭載した全自動コーヒーマシンだ。 ボタンを押すだけで、コーヒーやアメリカ―ノ、カフェラテ、フラットホワイトなど、あらゆる種類のホットドリンクを作れることに加えて、コールドブリュー機能を搭載し水出しコーヒーが簡単に楽しめる。 「アイスコーヒーの楽しみ方を“チェンジ”するコールドブリュー機能の搭載が、全く新しいマシンバリューを生み出した」と河口社長は語る。 アイスコーヒーについては「ホットコーヒーを冷蔵庫で冷却する、あるいは、氷の入った容器にホットコーヒーを抽出するというスタイル以外これまで大きなイノベーションはなかった『Z10』は、コービーバッグでは抽出までに数時間要する水出しコーヒーがボタン1つ押すだけで簡単にできてしまう。しかも抽出にかかる時間は1分30秒程度。味、手軽さなど、アイスコーヒーそのものに新しい価値を生み出している」と説明する。 「JURA」ブランドそのものも順調に拡大している。 業務用では代表的な機種の「E6」と「X8」が好調に推移。 「E6」は、デザイン性や人間工学を取り入れたシンプルな操作性と高いクオリティの抽出機能が、空間快適性を大切にするスモールオフィスを中心にヒット。 「X8」は、約5Lという大容量の給水タンクを備えつつも100V電源に対応したコンパクトサイズが好評で、コーヒーカス箱が抽出杯数約40杯まで対応するといった特長も受け入れられ、ホテル・レストラン・カフェから引き合いが強まっている。 今後は「JURA」の業務用からもコールドブリュー機能を搭載した新機種「X10 」の発売を予定。 「X10」は「『E6』や『X8』では物足りない」というニーズに対応し、コールドブリュー機能に加えて、大型のタッチパネルを搭載し操作性などを一層高めたものとなる。「世界初の技術が、市場そのものさえ変えてしまう可能性を秘めている」と述べる。 ドリップコーヒーマシン市場で、同社が今年の目玉と位置付けるのが「ブルーマチック」ブランドの全自動ドリップコーヒーマシン「C-23」。 「ブルーマチック」を代表する「C-21」と「C-22」に続く新機種となり、新開発の超微細ファインメッシュフィルターを搭載しているのが最大の特徴となる。 超微細ファインメッシュフィルターは、業界最小径の50μm(マイクロメートル)の穴径を採用し微粉が残らずコーヒーオイルで香りと余韻が楽しめるようになっている。 「これまでのメッシュフィルターの穴径は70μm。凄く細かいメッシュにしたことで、微粉によるざらつきがなく、すっきりとした澄んだコーヒーの味わいが楽しめる」という。 そのほか、3種類のコーヒー豆が投入可能な点や最大500mlの大容量抽出ができマイボトルにも対応している点が特徴となっている。 昨年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に引き下げられたことで業務用コーヒー市場が回復基調にある中、昨年9月頃からマシンの引き合いが徐々に強まっているという。 「当社で取り扱うマシンは全般的に機能性に優れ、シャープな動きが評価されている。1杯ずつ豆から挽くタイプと、大容量・クイックサーブに適したバッチブリュータイプともに好調に推移している」。 今後はステナビリティへの対応も進めていく。 元々ブルーマチック社のマシンが持っている、優れた機能性を活かし、省エネルギー、低炭素への対応を中心にお客様のビジネスのサステナビリティにも貢献する。 例えば、イタリア・エスプレッソマシンの「カリマリ」の新機種「シルバーエース」はDC部品を採用し各国で異なる電圧に対応。 これにより省資源化が図れている点を伝えていく。既存マシンでは、設定を変更するだけで省エネモードに切り替えられるようになっており、このことも今後訴求していく。 品質向上の取り組みでは、1年間に発生する不具合の低減を図るとともに修理を未然に防ぐ予防保全に注力している。 「大手チェーン様に大規模導入されているマシンからのビッグデータが蓄積され、機種ごとに部品の摩耗の時期や劣化のタイミングなどが予測できるようになっている」と述べる。 ブルーマチック社は、チェンジによって日本のコーヒービジネスを良い方向に革新し、サステナブルにしていくために、全ての経営資源を投入し、41年目の挑戦を進めている。