アベノミクスに自民大勝…2013年日本政治を振り返る
激動の2013年もまもなく終わろうとしています。この1年間、日本の政治にはいったいどんなことがあったのでしょうか。第2次安倍政権が発足してちょうど1年にあたる12月26日には、安倍首相が06年の小泉首相以来、現職首相として7年ぶりに靖国神社を参拝して大きな話題となりました。13年の主な政治のトピックを順に並べたのが、以下の「重大ニュース」です。
2013年政治の重大ニュース
〈1月〉アベノミクス 〈3月〉TPP交渉への参加表明 〈4月〉日銀が異次元の金融緩和を決定 〈5月〉日経平均株価が1万5600円台を回復 〈7月〉ネット選挙運動が解禁 〈7月〉参院選で自民党が大勝、ねじれ解消 〈10月〉消費税8%への引き上げ決定 〈11月〉徳洲会による選挙違反事件 〈12月〉特定秘密保護法が成立 〈12月〉猪瀬都知事が辞任 〈12月〉安倍首相が靖国神社参拝 〈12月〉辺野古沿岸部の埋め立て承認
2013年は、安倍政権が打ち出した「アベノミクス」によって日本経済を取り巻く状況が変化した年でした。たとえば「日経平均株価が1万5600円台を回復」などはそのひとつですが、一方で、議論を呼んだのが「TPP交渉への参加」です。 TPP(環太平洋経済連携協定)は、アジア太平洋地域の経済を活性化させるための仕組みです。このTPPへの参加が本当に日本の国益にかなうかどうかについては意見が分かれ、政府は交渉参加の態度を決めかねていました。安倍首相は3月15日に記者会見を開き、「この機会を逃すと世界のルールづくりから取り残される」とTPP交渉への参加を表明、日本は7月の会合から正式に参加しました。しかし、その後、農産物の関税撤廃などをめぐって交渉は難航し、最終的な妥結は14年春ごろになるといわれています。まずは2月に開かれるTPP閣僚会合が年明けのヤマ場となるでしょう。 7月には参院選の投開票が行われました。ネットによる選挙運動が解禁されて初めての国政選挙となったこの参院選で、自民党は改選121議席のうち、65議席を獲得して圧勝。自民・公明両党で過半数を確保し、参院で与党が少数の「ねじれ国会」が解消されました。これにより、安倍首相は安定した政権運営ができるようになったわけです。もっとも、その後の「特定秘密保護法」では強引な国会運営が批判を受け、支持率が10ポイント以上も下がって政権発足以来最低の数字となりました。14年1月下旬に開かれる予定の通常国会では、安倍首相の国会運営はどのように行われるのでしょうか。 特定秘密保護法と同じころに問題になったのが医療法人「徳洲会」グループの選挙違反事件です。この事件では徳田毅衆議院議員の親族など4人が逮捕され、また12月になると、東京都の猪瀬直樹知事が徳洲会側から5000万円の資金提供を受けていたことも発覚。猪瀬知事は辞任に追い込まれ、14年の年明けに都知事選が行われることになりました。選挙は1月下旬に公示、2月初旬に投開票される見通しです。