精神科医の私が「うつ病」になり、悲しみの底で見つけた「誰にでもできる大切なこと」
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります! ● 精神科医が告白するうつ病経験 私は精神科医ですが、かつてうつ病で苦しんだ経験があります。 パートナーを亡くし、仕事に追われて、本当に忙しい毎日を過ごしていましたが、仕事がひと段落して、少し落ち着いた頃、突然うつ病を発症したのです。 パートナーを失ってから1年ほど経った頃でした。 ● 夜がやってくるのが怖い…… 朝起きると涙が止まらず、夜がやってくるのが怖くてたまりませんでした。 夜、寝ようとするたびに、深い闇に吸い込まれるような感覚に襲われ、ちゃんと眠れるかどうかさえわからなくなっていました。 毎朝起きた瞬間から、夜のことを考えてしまい、その恐怖が毎日続いたのです。 ● 「いつか元気になる」という希望 そんな中でも精神科医として仕事を続けていたので、正直しんどかったです。 ふり返ると、あの時の自分は「とりあえず生きていよう」という気持ちで日々を過ごしていました。 それでも、心の奥底では「いつか元気になる」という希望が残っていたんです。 ● 徐々によくなると信じていた 無理に元気になろうとはせず、時間が経てば少しずつよくなる。そういうことは、精神科医としての知識があるのでわかっていました。 だからこそ、いまは苦しくても、「いつか回復する」と信じて過ごすことができました。 うつ病には波があり、その波を受け入れながらも、徐々によくなると信じていたのです。