そういえば、いま思い出したんだけどさ…クリニックをたたんだ高齢ドクター、相続を心配する息子2人を絶句させた「衝撃発言」
「子どもは?」「ひとりいる。一度も会っていないけど…」
すかさず突っ込んだのは、弟のほうでした。 「お父さん、最初の結婚で子どもは?」 「ひとりいる。生まれる前に別れたので、一度も会っていないけど…」 鈴木さんと弟は、初めて聞く話に仰天しました。 「その発言を聞くまで、まったく知らなかったし、想像したことすらない話でした」 鈴木さんの父親は、学生時代に一度、同じ大学の同級生と結婚したものの、結婚生活はすぐに破綻。養育費は、両親(鈴木さんの祖父母)が肩代わりして一括で支払い、それ以来会ったことはないといいます。 父親はいままで先妻や先妻との子どもとはまったくの没交渉で、普段は存在も忘れているようなありさまです。相続問題に発展するとの危機感もありません。
相続対策の第一選択肢は「公正証書遺言」
しかし、鈴木さんと弟にとっては大問題です。このまま何も手を打たずに相続が発生すれば、会ったこともない異母きょうだいを探し出し、遺産分割協議に協力してもらわなければなりません。双方にとって大変なストレスとなることは目に見えています。 「この問題、どのように対応したらいいんでしょうか?」 鈴木さんのようなケースにおいて必須となるのは、公正証書遺言です。 提携先の司法書士の説明を受けた鈴木さんは、その場で遺言書の作成を決断しました。 「すぐ弟に連絡します。父親も説得します」
公証人、証人は出張できる
鈴木さんの父親は普段ひとり暮らしで、日常生活に支障はなく、意思確認も問題ありません。しかし、足が少し弱っていることから、電車を乗り継いで公証役場に行くのは不安があることと、鈴木さんが付き添いで行くにしても、公証役場が稼働している平日には休めないため、対応が難しいといいます。 そこで、鈴木さんのクリニックのお昼休みに遺言書作成ができるように、公証人と証人が父親の自宅に出向いて作成できるよう段取りしました。 高齢や体調により外出が難しい方でも、出張サービスを利用することで遺言書を作ることができます。多少の出張費がかかりますが、それでも作れる安心感はあります。
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