”68歳で年収200万円”の契約社員が振り返る「きつかった仕事」
苦労もあったが、達成感も大きかった
「メーカー系列なので上の人もいろいろ変わるわけです。毎月目標の数値を達成するためには平均でならさなきゃいけないんですけども、いろんな上の人がそれを見ています。来月、再来月やばそうだからって、ためとく指示をするときもあるんですがそうすると『金になるのに、なんでためとくんだ、早く流せ』ってことで、もう非常に、叱責する方もいます。なんとか摩擦が起きないようにやりましたけども、そういう人たちとの折衝は何よりきつかった。なかなかわかってもらえないもんですから。長くやってる人だったら、理解してもらえるんですけども、上の人がちょっと来てまたすぐ離れて違う人が来るので」 「現場だって大変なわけです。最終的には高く売りたいから、綺麗にしていろいろ手を入れて、時間をかけて丹念にやります。それでやっとできたってときに、『2ヵ月前に入った車なんだから、早く現金化しろ』って、私が言うわけです。そうすると店長さん、怒りますよね。でも、なんとか頼むってことで。会社を順調に回して利益を上げていく。それはそれは苦労しました」 「でも、仕事はきつかったんですけども、1ヵ月で締めてみると、なんとかそこそこはうまくいって。うるさく言われた上の人にも後から、『うまくやったな、ありがとな』って言われるわけです。まぁなんとかできたのかなっていうときの達成感は、やっぱり大きかった」 つづく「多くの人が意外と知らない、ここへきて日本経済に起きていた「大変化」の正体」では、失われた30年を経て日本経済はどう激変したのか、人手不足が何をもたらしているのか、深く掘り下げる。
坂本 貴志(リクルートワークス研究所研究員・アナリスト)