古参の宇宙望遠鏡ハッブルの現況と今後

今回の画像は、ハッブルに搭載の広視野カメラ3で撮影された。このカメラは、2009年に実施されたスペースシャトルによるHSTサービスミッションで、NASAの宇宙飛行士らによって取り付けられた。HSTに対する有人ミッションは、これが最後となった。NASAはスペースシャトルを退役させたため、現在のところ宇宙飛行士を再びハッブルに送り込んで作業させる手段がない。 NASAと欧州宇宙機関（ESA）が共同開発したハッブルは、古参の宇宙望遠鏡だ。1990年に打ち上げられてから30年以上にわたり、遠方の恒星や銀河から太陽系内の惑星までのさまざまな宇宙の観測を行ってきた。その間に多くの技術的問題に見舞われたものの、NASAによって現在も運用が続けられている。最近では、ジャイロスコープの不具合により、科学観測が中断されるトラブルが発生した。ハッブル運用チームは解決策を編み出し、4月29日から科学観測を再開させた。 今回の輝く星雲に包まれた3重星のような驚異的な画像や観測データをこれからも届け続けることができるように、NASAは2020年代末までハッブルの運用を続けたいと望んでいる。宇宙には、解明すべき不思議がまだたくさんある。