【バスケ】宇都宮が今季最大の危機しのぎ10人で1点差勝利 竹内公輔「ホームで2連敗できない」
<バスケットボールBリーグ1部(B1):宇都宮91-90名古屋D>◇22日◇第14節◇日環アリーナ栃木 宇都宮ブレックスが今シーズン最大の危機を1点差で乗り切った。 91-90。わずか1点リードで、相手の攻撃時間は7・7秒残っていた。スタメン5人は最後の力を振り絞り、2度の攻撃をしのいで逃げ切りに成功。グラント・ジェレットはまるで優勝したかのようにD.J・ニュービルと抱き合い、比江島慎、竹内公輔、遠藤祐亮の3人は、両手をヒザにつけたまま、しばらく動けなかった。 「ホームで2連敗できないという気持ちが強かった。今日負けてしまったら、いない選手たちが責任を感じてしまう。残ったメンバーはみんな、そうさせたくないと思っていた」 試合終盤、足をつったしぐさを見せた39歳の竹内はこう振り返った。 ギャビン・エドワーズが右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷、渡邉裕規が左肩関節前方脱臼で長期離脱中。前日から鵤誠司が胃腸炎で欠場しているところに、この日の昼になって、アイザック・フォトゥも胃腸炎で試合に出られないことが判明。ベンチ入り10人の緊急事態だった。 第1Qに11点差をつけられたが、第2Qに奮起。9本の3点シュートを浴びせて逆転に成功した。「最大14点差つけられたが、巻き返せると全員が強い気持ちを持っていた」と竹内。第4Q、ファウルをもらいながら3点シュートを入れ、フリースローも加えて「4点シュート」を決めた比江島は「チームを救う1本を打てて良かった」とほっとした表情で話した。 ニュービルとジェレットの2人は40分間フル出場。ジェレットはチーム最多の28得点をマークした。「残った選手がすべての力を出し切って、やりきれた結果だと思う」。試合後、会場を訪れていた家族に珍しく手を振ったのも達成感の表れだった。 ブラスウェル監督は「厳しい状況に置かれたが、選手たちの勇気が勝利をもたらしてくれた。とても誇りに思う」と話した。昨季12月の天皇杯準々決勝、ケガ人続出の中、少ない人数で名古屋Dに勝ち、チームに結束が生まれて勢いに乗った過去もある。 ただ、スタメンは全員が30代。連日の激闘の疲れは必ず、シーズン中盤から後半に影響してくる。これから4試合、長い移動を伴うアウェーが続く。割り切って若手のプレータイムを増やし、主力の負担を軽くするタイミングだと思う。【沢田啓太郎】