幕末・維新150年の節目 大阪にある「ゆかりの地」とは?
大坂・中之島の蔵屋敷で生まれた維新の志士は?
江戸期の中之島周辺には各藩の蔵屋敷が並んでいた。船で運んだ藩米を販売して藩財政を担う重要機関で、多くの藩士が詰めていた。 維新の立役者のひとり福沢諭吉が大分・中津藩の蔵屋敷で生まれたことは、あまり知られていない。福沢家の身分は低かったものの、諭吉は野心あふれる精鋭が集う適塾で学び、世に出るチャンスをつかんだ。 堂島川右岸に面した中津藩の蔵屋敷跡に、福沢諭吉誕生地の顕彰碑が設置されている。通りがかった20代女性コンビは「福沢諭吉さんが生まれたなんて知りませんでした」と驚いていた。
討幕派も佐幕派も乗り込んだ京・大坂間の定期船は?
安治川から大川(旧淀川)をさかのぼって、天満橋の八軒家浜へ。リバーサイド再生プロジェクトで船着場や遊歩道が整備され、大阪人いこいの場となっている。 八軒家浜は京・伏見と大坂を三十石船で結ぶ水運の拠点だった。船旅の所要時間は上りで1日、下りは半日。坂本龍馬や福沢諭吉などの討幕派志士も、新選組をはじめとする佐幕派活動家も、繰り返し船上の人となったことだろう。今は遊覧船や水陸両用バスなどが行き交い、水都大阪の新しい景観を醸し出す。 同マップは大阪城天守閣のほか、大阪くらしの今昔館(市立住まいのミュージアム)、大阪歴史博物館などで配布。詳しくは大阪城天守閣の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)