【競輪】奈良万博協賛で大矢崇弘がS級初優勝 最終2角まくりでF1より先にG3制覇
「大阪・関西万博協賛競輪・G3」(9日、奈良) 12Rで決勝戦が行われ、単騎で臨んだ大矢崇弘(33)=東京・107期・S2=が最終2角3番手外からまくって1着。S級初優勝を飾り、賞金420万円を獲得した。中井太祐(奈良)後位から切り替えて大矢を追った元砂勇雪(奈良)は惜しくも2着。打鐘3角から先行した松岡辰泰(熊本)が3着に入った。 F1で優勝経験のない大矢が、いきなりG3で美酒。「取れちゃうときは取れるんですね。いいのかな…って感じもあります」と自らも驚くVゴールだった。 レースでの大矢は、赤板前にいったん最後方まで下げたが、内を突き中井太-元砂の後位に入る。打鐘前に内を抜けた中井が出切ったが、外を踏み上げた松岡辰が先行態勢に入る。元砂が外をけん制した隙を逃さず、大矢は内を抜けてから、最終1角からジワッと外を踏み上げる。態勢を整えて2角からまくり、切り替えてから中を割ってきた元砂を制し、先頭でゴールを駆け抜けた。 「ここ最近の状態が良かったですけど、まさかですね。思い出になりました」としみじみと語る大矢。早実高野球部出身で、外野手として2009年の選抜で甲子園に出場経験を持つ。「今でもドラフト会議は気になります」と言う球児が、競輪でG3タイトルを獲得。G1・競輪祭(11月19~24日・小倉)出場権も得た。「すごく遠いところにあったものが、近くに来た感じです。大きな目標を掲げることはしませんが、一戦一戦プライドを持って臨みたいです」。これからは周囲の期待も高まる。そのプレッシャーに打ち勝って、特別競輪でも気持ちで負けることなく走る。