【ぼざろ】ステージの内側へ!ヤマハの最新技術で結束バンドを完全再現
ヤマハの自動演奏技術によって<結束バンド>の楽曲「光の中へ」を完全再現するイベント「DIVE STAGE」が、10月25日(金)から27日(日)にかけて行われた。 観客席だけではなくステージ上にも上がることができるため、<結束バンド>のメンバーがライブ中に聴いている音まで体験することができる本イベント。今回は、アニメージュプラス編集部員が実際の現場へ行って感じた見どころや、ヤマハの担当者に伺ったインタビューの様子をレポート! 【関連画像】『結束バンド』を再現したライブの画像をみる!(画像19点) はまじあきによる4コマ漫画を原作に、2022年にテレビアニメ版が放送された『ぼっち・ざ・ろっく!』。バンド活動に憧れ、動画配信サイトで評価されるほどのギターの腕前を持ちながらも、極度の人見知りのために中学時代はバンドを組めずにいた主人公・後藤ひとりが、<結束バンド>の一員として活躍していくさまを描く作品だ。 初回放送時にはあまり注目度が高くなかったものの、魅力的なキャラクターやライブ演奏シーンでの細かい芝居などで徐々に評価が高まっていき、放送終了後に発売されたアルバムがオリコンチャートの上位に食い込むほどの人気作となった。 そんな<結束バンド>のライブを完全再現する試みが、ヤマハ銀座スタジオにて実施された。「DIVE STAGE」と題されたこのイベントでは、ライブハウスと同じ規模感のスタジオと音響のなかで<結束バンド>のライブが再現される。 このイベントの魅力は、<結束バンド>のライブに来た一人の観客として抜群のサウンドを楽しめるだけではなく、ステージに上がることで<結束バンド>の面々がライブ中に体感しているサウンドも楽しめるため、同じ演奏を違った仕方で二度味わえることだ。 まずは観客席のエリアでライブを楽しんでから、二度目の演奏でステージ上からの演奏を体験することにしよう。 ■あふれ出る『ぼざろ』愛! まずは観客席から。ライブハウス「STARRY」に似た規模感のスタジオ内には、それぞれのメンバーカラーに合わせたピンスポットライトが点灯している。演奏前からわずかに焚かれたスモークを含めて、気分は完全にライブハウスだ。 <結束バンド>の四人によるライブMCさながらの案内音声を聞いたあと、バンド二枚目のシングルとして発表された人気曲「光の中へ」の演奏が再現される。 演奏が始まり、まず驚いたのはその音圧だった。ライブへ行った経験のある読者ならばわかるだろう、音に合わせて空気が振動していくあの感覚が、そのまま体感できたのだ。 演奏はイベント用に再収録されたものを再現しているとのことだが、とてもそうは思えない。音に合わせて動く虹夏さんのドラムも含めて、まるでそこに<結束バンド>がいるようだった。バックスクリーンの映像と相まって気分が高揚していく。 演奏が終わってからキーンと耳鳴りがしていく感覚もライブそのままで、アルバムをイヤホンで聴くのとは違う、「生の音」を浴びたような衝撃に身が包まれる。......と、余韻に浸れるのもつかの間、再び演奏が始まろうとしていた。 ■結束バンドが体感しているサウンド! 続いては、ステージ上で<結束バンド>の面々が体感しているサウンドを楽しむことにしよう。先ほどのように演奏が始まってから、自由にステージ上を回遊していく。ステージ上に立ってまず驚いたのは、ヤマハによる節々へのこだわりだった。 キャラクターの身長に合わせてマイクの位置が微妙に違うのだ。こうしたこだわりの数々が、キャラクターが生きていると感じさせてくれる要因になっている。 いよいよ演奏が始まると、ステージ後方で演奏を聴くのとは違う、いわゆる中音(なかおと)の面白さを存分に感じることができた。地面が揺れているかのような音圧はもちろん、キャラクターそれぞれのマイクへ近づくと、それに合わせてそのキャラクターの声が大きくなっていくのも魅力。キャラごとに声質がわかりやすく異なるアニメを題材にして、かつステージ上で自由に動くことができる再現演奏イベントならではの面白さだ。 さらに特筆すべきは、ステージの後方に置かれたモニタースピーカーの存在だ。キャラごとのモニタースピーカーにはそれぞれ名前が書かれており、近づくとそのキャラが演奏している楽器の音が大きくなっていく。 これこそ、こうしたイベントでなければ体験できないアーティスト側の音であり、ステージ上の彼女たちの耳に入っている音そのものだ。そうした音を、演奏者と観客の双方の視点から楽しむことができることこそ、本イベントの見どころ(聴きどころ?)であった。 アニメにしか存在しなかったはずのキャラクターたちが、こうして三次元上のスタジオに登場する。姿こそ見えないけれど、観客一人ひとりの心にはたしかに<結束バンド>の面々が現れていたはずだ。 今回のイベントは大好評のうちに完売となってしまったが、ヤマハ担当者へのインタビューによると、こうした試みは今後も続けていく予定だそうだ。またの機会をぜひお見逃しなく。