ジェームズ・キャメロン監督、AI企業の取締役に
映画「アバター」や「タイタニック」で知られる巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、人工知能(AI)企業Stability AIの取締役会に加わることが発表された。映像技術の革新者として知られるキャメロン監督の参画は、AIと映画産業の融合に向けた大きな一歩となりそうだ。 Stability AIは、話題の画像生成AI「Stable Diffusion」を開発した企業。同社のCEOプレム・アッカラジュ氏は、「キャメロンは未来に生きており、私たちが追いつくのを待っている」と高く評価。「彼のような技術的・創造的な先見者を企業の最高レベルに迎えることは、Stability AIだけでなく、AI業界全体にとって記念碑的な出来事だ」と語った。 キャメロン監督は自身の参画について、「30年以上前からCGIの最前線にいて、それ以来、最先端を走り続けてきた。今、生成AIとCGI画像制作の交差点が次の波だ」と説明。「これら2つの全く異なる創造エンジンの融合により、アーティストたちは想像もしなかった方法で物語を語ることができるようになる。Stability AIはこの変革を主導する立場にある」と、その可能性に期待を寄せた。 映画産業では、AIに対する期待と懸念が入り混じっている。ライオンズゲートがAI企業Runwayと提携を結ぶ一方で、多くのクリエイターやハリウッド企業が、AI企業が許可なく彼らのコンテンツを学習データとして使用したとして訴訟の可能性をちらつかせている。 Stability AIの執行役員会長を務めるショーン・パーカーは、「キャメロンは映画製作者としての芸術的ビジョンと、先駆的な技術者としての役割の両方で伝説的な存在だ」と述べ、「彼のような芸術家が経営に参加することは、Stability AIにとって新しい章の始まりを意味する」と語る。 キャメロン監督の参画により、Stability AIは映画産業におけるAI技術の応用をさらに加速させる可能性がある。