セガ、他社運営のゲーム「メメントモリ」に対し特許権侵害で提訴 10億円の損害賠償と差し止め請求
株式会社セガが、スマートフォン向けゲームの開発を行うバンク・オブ・イノベーション(以下、略記BOI)に対し、特許権侵害による損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。BOIが10月21日付けで訴状を受理したことを明らかにした。 【画像】リリース後3ヶ月の売上は36億円…CM展開でも話題の「メメントモリ」侵害と提訴された特許の参考図など 訴状によると、BOIが現在運営しているスマートフォン向けゲーム「メメントモリ」と、既にサービスを終了している「幻獣契約クリプトラクト」において、セガの保有する5件の特許権を侵害しているとされる。セガは損害賠償として10億円およびこれに対する遅延損害金を請求するとともに、「メメントモリ」に関するゲームプログラム等の差し止めを求めている。 両社は特許権の実施権許諾条件について協議を重ねてきたが、合意に至らず、今回の提訴となった。対象となる特許は、日本国特許第5930111号をはじめとする5件。 J-Patpatによれば、これらには「排出率が低い操作媒体(レアカード等)に対して遊戯者に働く、相反する心理的課題を解消し、常に大量の操作媒体を携行していなくてもゲームを行うことが可能なゲーム装置」などが含まれており、ゲームシステム全体に対する侵害との主張とも見られる。
ヒット記録で2周年、運営は継続する方針
これに対しBOI側は、同社サービスが当該特許権を侵害している事実はないとの認識を示し、訴訟手続きの中で主張の正当性を明らかにしていく方針を表明。さらに、訴訟の結果に関わらず、必要な対策を講じることで「メメントモリ」のサービスを継続していく考えを示した。 メメントモリはBOIが開発、運営するスマートフォンおよびPC向けのオンラインRPG。「魔女」と呼ばれる少女たちが、世界中の呪いを解放していく物語を描いており、2022年10月18日にサービスを開始。豪華アーティストによるキャラクターのイメージソングが特徴で、一時は同社売上の90%を占めるほどのヒットを記録、先日に2周年を迎えた。 BOIは、本件が同社グループの財政状態および経営成績に与える影響について現時点では不明としており、適時での開示を通達している。 ※訴訟の原因及び訴訟提起に至った経緯(公式発表) 当社は、株式会社セガより、当社にて現在サービス提供中の『メメントモリ』及び現在サービスを終了している『幻獣契約クリプトラクト』が、原告の保有する 許権を侵害しているとして当該特許権についての実施権の許諾条件を提示され、協議を行ってまいり ましたが、当社の見解が原告に受け入れられるには及ばず、訴訟の提起に至ったものです。
編集部 経済・社会担当