ゆりやんレトリィバァ『じぶんBIG LOVE!~ゆりやん体づくり本~』(岡部 友・監修)“体重至上主義”は「ほっとけ!」自分で作った体だから、大好きになれた
2回目の減量は、 筋肉がついていて自分好みの体に
―― 撮影時は105kgまで増やした体重を、再び減量することにしたわけですが、いかがでしたか? 65kgまで落とした時、みんなに「やせた!」と驚かれましたし、自分でも良いと思ってました。でも今思うとよくある体型で、筋量もまだまだだったかもしれません。「極悪女王」で筋肉をしっかりつけながら増量したおかげで、体重を落としても、前より筋肉の密度が高くなりました。今の方が、前より体重は重くても、むちっと健康的で、自分らしいなって思います。 ―― 「極悪女王」の撮影中、「せっかくやせたのにまた太って」などとネットでよく書かれていましたが、ゆりやんさんにとっては意味のある増量だったんですね。 ただリバウンドしたんじゃなくて、トレーニングで作り上げた体だったから自信がありました。もしあれが自堕落な生活で太っていただけなら恥ずかしくて嫌だったかもしれません。みんなはそんなことを知らずに好きなことを言ってたので、私は「数年後に見とけや!」って思ってました。 ―― 「極悪女王」を観た人から、「ゆりやんまたやせた!」って驚かれていますが、今がまさにその時ですね。 ダンプさんの言葉を借りるなら、「ざまぁみろ!」です。でも、いろいろ取材していただいて、今回は体作りの本も出す立場で、「偉そうに」と言われるかもしれませんが、やたらと体重の数字にフォーカスされたり、「美ボディを手に入れた!」って言われたりすることに、もう「ほっとけ!」という気持ちがあります。私は、健康で自分が好きだと思える体になるためにいろいろやってきているだけなので、数字や「美ボディ」といった言葉で片付けんといてほしいんです。
体が変わったら、 心も変わって自信がついた!
―― 今回、『じぶんBIG LOVE! ~ゆりやん体づくり本~』という本を出されますが、どのような内容ですか? 本には私が実践している食事や運動の内容についてたくさん紹介していますが、ダイエット本と思われたくなくて、「じぶんBIG LOVE!」というタイトルにしました。ダイエットというと、何kgやせたとか、スリムになったとか、“体重至上主義”“細(ほそ)至上主義”ばっかり。私も、「70kgもあるくせに、ダイエット本なんか出すの?」って言われそうやけど、自分の好きな体を作ることの楽しさを伝えられる本にしたかったんです。自分の体って与えられた“器”みたいなもので、チェンジすることはできないじゃないですか。だったら、せっかく自分が乗ってる“器”をかわいくしたいし、健康にしたいし、楽しくしたいじゃないですか! 文句言ってる暇があったら、自分の“器”をなんとかしたほうが早いし、そうやって自分で好きな体を作り上げることができたら、それがめっちゃ自信につながるんです。自分に自信がつくと、昔の自分なら「こんなこと言ったらよくないかも」と抑えていたことも、「私は映画を作りたい!」「アメリカで有名になって、世界で成功したら、次は宇宙に進出する!」と口に出して言えるようになってきました。 ―― ただ体重という数値を減らすだけではなく、内面も変わっていったんですね。 私は今の、筋肉がしっかりついた、むっちりとした丸っこい体が大好き。それに、自分の“器”を作ることが楽しいと思えるようになったから、前みたいに“暴飲(ボウイン)グ・マイ・ウェイ”になることも、もうありません。もちろん、大好きな友達とたくさん食べる日もありますが、バランスを考えられるようになったんです。だから、この本を手に取る人には、誰かのようになりたいという気持ちを一旦忘れて、自分のことを最高に好きだと思えるようになってもらいたいんです。この本をかわいくハッピーな感じに作ったのも、一家に一冊の『家庭の医学』みたいに、ずっと手元に置いておいてもらいたいから。「何を食べてるのかな」「ゆりやんこんなこと言ってるわ」ってペラペラめくりながら、できることから、やってみたいことからやってもらえたらええな、って思ってます。 ゆりやんレトリィバァ ゆりやん・れとりぃばぁ●芸人。 1990年生まれ、奈良県出身。NSC大阪校35期を首席で卒業。17年、第47回「NHK上方漫才コンテスト」優勝、NTV「女芸人No.1決定戦THE W」優勝など数々の賞を受賞。19年、「America’s Got Talent」に出演し、話題を呼ぶ。21年、「R-1グランプリ」優勝。24年、Netflixシリーズ「極悪女王」主演。24年12月、活動の拠点をLAに移す予定。 [文]集英社 聞き手・構成=吉川明子/撮影=露木聡子/ヘアメイク=岡田知子 協力:集英社 青春と読書 Book Bang編集部 新潮社
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