「転職して公務員になれば退職金1000万円もらえる?」勤続年数別に確認。国家公務員の生活苦も浮き彫りに
国家公務員の「生活苦」の現状とは
人事院が2024年3月に公表した「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」からは、国家公務員の意外な生活苦が窺い知れます。 例えば退職公務員(7144人)に「世帯の家計の状況」を問う項目では、「毎月のやりくりに苦労しており、時々赤字が出る」(23.3%)と「どうやりくりしても、常に赤字が出て生活が苦しい」(18.2%)が合わせて41.5%にのぼりました。 世帯の収入(ボーナス収入を含まない。以下同じ。)は平均で月額37万円。そして平均支出月額は34万9000円となっています。 ただし金額階層では「21~30 万円」が26.3%で最多、次いで「11~20 万円」が14.9%となっており、現役時代よりも収入減となることにより、生活苦を感じている世帯がいるとうかがえます。 赤字が出る家庭は「退職手当を取り崩す」が70.5%と多くなっており、退職金に頼ることが多いようです。実際の収支は世帯によって異なりますが、2000万円の退職金があってもこの物価高では不安に感じるかもしれませんね。 「定年退職後も働きたいと思った」と答えた人が83.3%にのぼることから、国家公務員であっても「老後は悠々自適に」とは言い切れないのかもしれません。
まずは老後のお金を知ることから
今回は国家公務員の退職金などを見ていきました。 筆者も多くのお客様と資産運用のお話をしますが、多くのお客様が「たぶん退職金あると思います」「あるけれど、いくらかはわかりません」「あるのかないのか知りません」などあやふやな回答をされます。 まずは、ご自身のお勤め先にどのような制度があるのか確認してみましょう。そして、それを基にご自身の退職後の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
参考資料
・内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」 ・内閣官房内閣人事局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」
渡邉 珠紀