分かっているのにやめられない… ゲームに依存し、苦しむ息子。依存症に立ち向かう家族の物語【書評】
本書で描かれる依存症を抱えた人々は、ゲームやお酒といった異なるものに依存している。1種類だけでなくさまざまなパターンを紹介することで、いろんな人が「もしかして……」と思えるような作りになっている。だからこそ、依存症を身近な病気として捉えて自分事に考えられるのだ。 さらに、物語の中で名言と呼べるような心に響くセリフが出てくる。読み手の胸にときにグサリと刺さり、ときにジーンと染みるシーンがここぞというタイミングで登場するのだ。
依存症を克服しようとしている人にとって、本書は精神的なお守りの役割を果たしてくれるだろう。また、依存症から目を背けていても、本書が向き合うきっかけになるかもしれない。 文=ネゴト/ まわる まがり