音楽、俳優、二足のわらじを履く岡崎体育が柳楽優弥に出会って変わったこと。『ライオンの隠れ家』で学んだコミュニケーションの歩幅
僕は自分の自己肯定感を高めるために音楽をやっているタイプ。自分が作ったものを誰かに褒めてもらえてうれしい、生きていてよかったと思えるというのが根本にあるので、まずは作詞作曲するときに自分が納得いくものを作ることを一番大切にしています。そこに付随して、自分がいいと思ったものを周りの方や聴いてくれた方がいいなと思ってくれたら、 これに勝る喜びはないなという価値観でやっていますね。なので、自分が納得するもので、認められたい、褒められたいというエゴイズムは強いと思います。 ――特にお気に入りの楽曲は何でしょうか? 10月に出したEP「Pedigree」に「カバ公園」という曲が入っているのですが、実はラブソングなんです。ラブソングを書いたのは10年ぶりぐらい。この間、槇原敬之さんがラジオでこの曲をかけて褒めてくださっていたんです。それを聴いた瞬間、褒めてもらえたことが自信につながりましたし、レーベルに自慢しました(笑)。自分のやっている仕事を誰かに褒めてもらうことって、サラリーマンの方でもミュージシャンでも、どんな業種でも変わらずうれしいことだと思います。それにありがとうと感謝を伝えることも大切だと思います。 ――一方で楽曲を提供されるときはどんなことを意識していますか? 曲を提供したアーティストさんにも喜んでもらいたいですが、そのアーティストさんのファンの人に喜んでもらえることが一番かなと。アーティストさんからご招待いただいてライブを見る機会があるのですが、自分が提供した曲を披露してくれているときにステージも見ますが、盛り上がってくれているかなとお客さんの反応を見てしまいます。SNSでも「僕の好きなアーティストに曲を提供してくれてありがとうございます」というリプライが来ることもあって、それもすごくうれしいです。職業作家としてのマインドを強く持つようにしているので、エンターテイメントとして聴いてくれる人がどんな反応をしてくれるのかを想像しながら作ることが多いです。そこは曲を提供するときと、自分の曲を書くときとの違いかもしれません。
親しき仲にも齟齬がないコミュニケーションを取りたいと教えてくれた岡崎さん。しかし作詞作曲に関しては「自己愛がすごく強いです」とイタズラっ子のような表情で語る。10年ぶりに書いたというラブソングには岡崎自身の、劇中で口ずさむオリジナルソングには貞本という役の思いが詰まっているのかもしれない。
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