「最近スマホを購入したスタッフもインフルエンサーに」コロナ禍で躍進した3COINSの戦略「SNSのやり取りも接客のひとつ」
── 投稿するにあたって工夫していることはありますか。 サトウさん:力を入れているのは、店内写真です。店舗の外からズームして、商品が置いてある棚まで入っていくような見せ方を動画で撮影し、そこから棚に手を伸ばして実際に商品を手に取り、そのあと開封もしてサイズ感や使い方も全体的に見せています。今までは写真の方が多かったのですが、今は動画が主流で、実際に店舗で購入する際の擬似体験をしていただけるような工夫をしています。
■スマホを最近購入もインフルエンサーになれる ── スタッフインフルエンサーは、SNSに強い方がなれるのでしょうか。 サトウさん:いいえ、スタッフインフルエンサーは希望者で、SNSはまったく素人という方から、アカウントはあるけれど更新していないという方もいます。「スマホを最近買いました」という方もいました。まずは、SNSのアカウントの作り方や投稿の仕方から指導することも多いです。実績や技術よりも、「ブランドの認知拡大のために貢献したい」という気持ちが強い方ばかりです。スタッフインフルエンサーは、社員だけではなくアルバイトやパートの方もいらっしゃいます。
投稿についても、一定のルールはあるのですが基本的には内容すべてを個人に任せています。店舗によってカラーも違いますし、毎週、新商品が出るのですが同じ商品でも個人によって紹介の仕方が変わってきます。統括する立場としては、皆さんそれぞれがご自身の強みを生かして、楽しく投稿してほしいというのがいちばんです。その一方で、SNSはどれくらい見ていただけたかや、いいねの数が数値に出てしまうので、その数をどう伸ばしていくかについて考えるのは苦悩しています。
── 投稿を個人にゆだねるのには理由があるのですか。 サトウさん:SNSは続けていくうちに、どうしても次第にクオリティを求めるようになってしまって、お客さま目線ではなくスリコスタッフとしての色が強くなってしまうんです。いわゆる「中の人」感が出てしまうんですね。実は、綺麗に動画を作る技術がある方より、いちからSNSを始めた人の方が、まるでお客さまが投稿したような見え方になるので動画の再生回数も伸びています。それぞれ個人によって得意な商品のカテゴリーも違いますし、動画の作り方も違うので個性を活かしていけたらと思っています。
【関連記事】
- 【写真あり】「これも3COINSだったの?」SNSで919万回再生を記録した商品の数々
- 「売り上げ毎年100億円増」の3COINS コロナ禍で飛躍した理由「ターゲット層を絞り、母体のアパレル会社のノウハウを応用」
- 「パパ、キモーい!」と娘は予想外の反応が…川越達也が50代でYouTubeに進出した真意「25歳年下に8時間も説得されて」
- 「コンプレックスを抱え、自信のないモデルたちと対峙し」日本初のプラスサイズモデル事務所・代表の桃果愛「言い続けることは根気がいるけど」
- 愛沢えみり「高校の卒業式のあとバッグひとつで」家出同然の上京から歌舞伎町No.1キャバ嬢の座を掴んだ知られざる努力「必要なことを逆算してノートに書いて」